ニッケイ新聞 2012年5月12日付け
サンパウロ市のバス運行を管理するSPトランスによる統計で、サンパウロ市のバスで遅れが目立っていることが改めて明らかとなった。10、11日付エスタード紙が報じている。
09〜11年の3年間、1350本のバス路線のデータをもとに計算したところ、サンパウロ市でのバス通勤には片道平均1時間5分を要するという。
通勤時間の最長は、ブタンタンやカンポ・リンポを含む西部で、ブタンタンからセントロまでの通勤時間の平均は1時間24分。ブタンタンは11年3月に地下鉄4号線が開通したが、バス利用者の実態は、09年の1時間17分より悪化。夜のピーク時は1時間32分かかる。また、ジャバクアラやサントアマロを含む南部からセントロまでの平均通勤時間は朝が1時間12分、夜は1時間16分かかる。
市交通局のイヴァン・ヴァテリー氏は「市は130キロの専用レーンと68キロの専用道路建設のために投資する予定だが、車は毎日増えるばかりだ」と嘆いている。
通勤時間の最短は朝で56分の東部だが、11日付エスタード紙によると、予定時間に出発しないバスが一番多いのも東部だ。特にひどいのはサンマテウスのトランスクーパー社で、2本に1本が遅れる。それでも、運行表通りに出発したのは09年の33%が11年は66%となり、改善率はトップだった。
東部には14年のW杯の会場周辺のイタケーラなどが含まれており、バスの運行本数が多いことから遅れが目立つ。この3年でのスケジュール通りの運行は79・4%だが、通勤者たちは「1時間近く遅れるのもザラ」「運行表を守れているのは半分もないのでは」と語っている。9割以上スケジュール通り運行できているのは南東部のみだが、サンパウロ市公共交通企業組合は、今回の統計結果は満足のいくものという。