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母の愛は病気を超える=エイズ感染児と養子縁組

ニッケイ新聞 2012年5月15日付け

 13日付エスタード紙が、エイズ感染児を引き取った母の記事を掲載した。1998年、ある冬日の未明に数発の銃声を聞いたローザ・マリア・アウヴァレンガさん(63)は、麻薬密売者夫妻が殺され、7カ月の女児と5歳と7歳の男児が残されているのを見て、自宅に連れ帰った。
 数カ月後に祖母2人が現れたが、上2人は各自が引き取るが、エイズに感染していた女児の引き取りは拒絶。ローザさんには息子3人と孫9人がいるが、幼い女児を手放せず、そのまま養育。治療のために女児の書類が必要と気づいた時、自分が引き取る事を決めた。
 治療入院も数度、毎日飲む薬は16錠。収入は最低賃金一つの母には楽ではないが、「病気だと信じない人もいる位元気よ。ちょっと頑固だけどルアナは私の王女様」と言うローザさん。ルアナさんが15歳に9月には150人のパーティを計画中のローザさん。黒人で病気持ちの子供は養子縁組が難しい中、実の親子同様に向き合うルアナさんに向かうローザさん親子の顔に迷いはない。