ニッケイ新聞 2012年5月17日付け
自閉症児療育専門家、平雅夫氏の講演会では、PIPAの生徒達による太鼓の発表が行われた。教員に付き添われながら竹馬に乗って登場し、緊張した様子ながら太鼓を叩く姿に来場者はさかんにフラッシュを焚き、温かく見守っていた。あらゆる関係者に招待状を送ったというPIPAの沼尻エルザ施設長によれば、自閉症を療育する施設は他にもあるが、生活療法を実践するのはブラジルでPIPAのみ。「日本人は真面目に仕事をするというイメージがあり、皆興味を持っている。今生徒は6人だが、もっと増やしたい」と話していた。
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平氏が施設長を務める、発達障害をもつ人への就労支援施設「ウィズユー」では現在18歳以上の40人が属し、プロの職人による技術指導のもとでパンや洋菓子の製造、販売実習や、商品梱包など軽作業の受託事業、名刺などの製品制作事業などが実施されている。パンや洋菓子は、「自閉症の人が作ったというだけでは売れないので、徹底して品質にこだわっている」と平氏。
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世界選手権に出場する剣道ブラジル代表の壮行会が、19日午後8時から中華料理『泰山飯店』(Rua Galvao Bueno, 554)で行われる。参加費50レアルで当日支払い。注目の高階エリゼッチ選手含め、戦地イタリアに向けて出発する剣士たちの、大会直前の意気込みを聞ける最後のチャンス。「世界王者候補生」たちに激励の言葉をかけに行ってみてはどうだろう。