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コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2012年5月19日付け

 肌寒い夜が続いている。この4月に初めてブラジルの地を踏んだコラム子は、サンパウロ市の気候というものを甘く考えていたように思う。
 勿論どこまで気温が下がるのか、どんな雨が降るのかといったことのチェックはしたが、それを踏まえた上で揃えた服装では、若干心もとないこの頃である。
 そんなある日の晩、疲れて寄宿舎に帰ると、台所にポ語の張り紙が。どうやら管理人からのようだ。つたない知識を振り絞って読むと、冷蔵庫に食べ物を入れておいたとのこと。ドアを開けて見てみると、そこにあったのはなんと「海苔の佃煮」。おもわずくすりと笑ってしまった。
 確かに外は寒い。慣れない仕事に悩まされることもある。そんな中でも心が荒まずに生活できているのは、日々の小さな優しさに、心が暖められているからかもしれない。(酒)