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米国で狙われるブラジル人旅行者=3日に1度のペースで盗難
ニッケイ新聞 2012年5月22日付け
ブラジルから米国への旅行者が増えたことで、ブラジル人を狙う盗難事件が続出しているという。20日付伯時紙が報じている。
米国フロリダ州のマイアミやオーランドでは1月から4月だけで、ブラジル人からの盗難届けが44件出された。これは3日に1度、ブラジル人が盗難に遭ったことを意味する。
これはマイアミにあるブラジル領事館が明らかにしたもの。ブラジル人旅行者の49・7%はフロリダへ行き、ブラジル人を狙った盗難の35%がマイアミとオーランドで起きている。
たとえば、1カ月ほど前にはサンパウロ州の夫婦が、購入したコンピューターやiパッド、iフォンを車のトランクに入れてからおもちゃを買いにいったところ、15分もしないうちに車がこじあけられたとの通報を受けた。また、別の女性はオーランドの洋服屋で衣服を買った際、薄暗くて周りがうるさかったため、バッグを開けられたことに気が付かず、クレジットカードを盗まれて3500米ドル分使われた。また、ホテルの部屋で旅行カバン七つを盗まれ、着替えの服も買わなければならなくなった家族もいた。
アニェンビ・モルンビー大学のアンドレア・ナカネ教授は、「国内にいるときは用心しているブラジル人でも、国外に出ると警戒がゆるむ。国外では楽園に来たような気分になるのだろう。ブラジル人は団体で歩くことが多く、店内でも大声でしゃべる傾向があるから、狙われやすい」と分析し、改めて注意を呼びかけている。
そういう事情から、現在マイアミやオーランドでは、ブラジル人旅行者の買い物を預かるサービスや、ホテルから買い物への交通手段を請け負う業者が目立ち始めている。