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地下鉄スト=「選挙年を狙った行為」=アウキミン知事が不満表明=サンパウロ市市長選候補の反応は?

ニッケイ新聞 2012年5月25日付け

 23日にサンパウロ市を襲った地下鉄とパウリスタ都電公社(CPTM)のストについて、アウキミンサンパウロ州知事(社会民主党:PSDB)は「選挙の年を狙ってストをけしかけた連中がいる」と語った。24日付伯字紙が報じている。
 地下鉄1〜3号線とCPTM11、12号線のストはサンパウロ市民約500万人の足に影響を及ぼしたが、アウキミンサンパウロ州知事は23日朝、テレビの取材に対し、「今回のストは正当な理由が見出せない違法なもので、ある急進的な連中(グルペーリョ)によって進められたものだ」と語った。その上で「大体いつも選挙がある年にストがある。現に選挙のなかった去年はストが起きていないのに、今年は起きた。偶然にしては変だと思わないか?」と、今回のストがサンパウロ市選挙を狙って行われたものであるとした。
 アウキミン知事は地下鉄職員の組合を「グルペーリョ」という言葉で表現したが、同組合は2010年から統一労働社会党(PSTU)傘下の組合、コンルータスにより運営されている。
 PSDBからサンパウロ市市長選出馬予定のジョゼ・セーラ氏も「わかりきったことだ。(ストが起きたのは)選挙があるからだ」とアウキミン知事に同調。「事態がひどくなるほど、要求が通りやすくなると考える人はたくさんいる」と語り、このところ続く事故や故障の一部は手抜きによるとの意見に関しても「そう思う」との見解を示した。
 一方、労働者党(PT)から出馬予定のフェルナンド・ハダジ氏は、グルペーリョがストを仕掛けたという州知事の発言に対し「そういう批判を行いたいなら、代表者の名前を具体的にあげないと」と語った。ハダジ氏は「交通網の麻痺」への批判を選挙戦のキャンペーンのひとつにかかげており、それをアウキミン知事は「ばかげている」と語っていた。
 なお、アウキミン知事は23日夜には発言のトーンを落とし、ストと選挙の関連性は「よく調べないといけない」という言い方に変えた。また、カサビサンパウロ市市長は、ストとサンパウロ市市長選との関係についての発言を避けたが「知事の憤りは理解できる」と語った。
 また、このストを受け、民主運動党(PMDB)のシャリッタ候補やブラジル共和党(PRB)のルッソマノ候補は「サンパウロ市の計画や責任が十分でないからこういうことが起こるんだ」と市政批判を行った。
 また、23日の州議会では、「賃上げ交渉の調整率引き上げのために市民を巻き込むなんて」とするアウキミン知事支持派と反対派の間で議論が交わされたという。