1年で70万の極貧家庭発見=40%は大都市周辺に=14日から新たな救済策も=200万が底辺から脱出か
ニッケイ新聞 2012年5月30日付け
ジウマ政権が看板として掲げる極貧撲滅の一環として、生活扶助などを受けていない極貧家庭を探した結果、1年で70万の極貧家庭が新たに見つかったと28日付エスタード紙が報じた。14日には〃ブラジル・カリニョーゾ〃計画も発表され、200万家庭の極貧脱出が見込まれている。
ジウマ政権が〃ブラジル・セン・ミゼリア(極貧なきブラジル)〃と銘打った政策を打ち出した時、ボウサ・ファミリア(生活扶助)などの社会政策から漏れている家庭は80万と見られていたが、その見通しを上回る〃見えない極貧家庭〃が見つかった。
現政権が定めた極貧は一人当たりの収入が70レアル以下の家庭や人で、地理統計院(IBGE)の資料を使った試算では、社会福祉政策から漏れている極貧家庭は2013年までに80万見つかる見込みだった。
ところが、政権初年の〃見えない極貧家庭〃探しが効果的だったのか、1年で発見された極貧家庭は70万。戸主だけでパライバ州のジョアン・ペッソアの人口に匹敵。一家4人と想定すれば、バイア州サルバドールの人口に匹敵する人々が、社会福祉政策から漏れていた事になる。
しかも、この70万家庭の40%は、人口が10万を超える自治体に住んでいる事も判明。極貧家庭は北伯や北東伯に多いとの概念を覆した。
カダストロ・ウニコと呼ばれる統一台帳に名前が載らず、社会福祉政策からも漏れていた家庭の多くは、保健所や電力会社の職員らの協力を得て発見されており、台帳未記載の極貧家庭探しに協力した自治体には、国が経費を支払った。
サンパウロ州内陸部フランコ・ダ・ロッシャに住むライムンド・マルケス・フェレイラさん(52)は壁塗り職人だが、作業中の事故で左半身の自由が効かなくなったのに、非正規雇用だったために会社からは何の保障もなく、うつ病と神経科の疾患に悩まされつつ、離婚した妻との間に生まれた4人の子供と一間きりの家に住んでいる。
雨が降ると防災局員が引越を迫る家は薄暗く、湿気も多いが、「家賃も払えないのにどこへ行くんだ」と居座る一家も〃見えない極貧家庭〃の一つ。薬をとりに行った保健所で質問されて生活扶助を申請したフェレイラさんは、月102レアルを受け取り始めた。
ジウマ政権は、14日に発表した新計画で、6歳以下の子供がいる極貧家庭には1人70レアルの最低水準を満たすだけの扶助を支給する他、2014年までに6247件の保育所新設を約束。保健所や訪問医療システムへのビタミン剤や鉄剤の供給を増やすなどの対策も併用。新対策では北伯と北東伯中心に200万家庭が極貧から脱出できるというが、野党は選挙対策と批判している。