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サンパウロ市絡みで3軒が選出=都市建設博覧会の代表に

ニッケイ新聞 2012年5月30日付け

 サンパウロ市の建築事務所が関わる建築物三つが、スペインで開かれる都市建設博覧会に出展されることになった。29日付エスタード紙が報じている。
 この博覧会は今年の9月にスペインのカーディスで開かれる「第8回イベロ・アメリカーナ都市建築ビエンナーレ(BIAU)」で、全世界152の応募作品中、26点しか選ばれていないが、そこにサンパウロ市の建築家の作品が三つ選ばれた。
 そのうちの二つは、建築会社グルーポSPのアルヴァロ・プントーニ、ジョアン・ソドレ、ジョナサン・デイヴィスの3氏によるものだ。
 同チームの手がけたのは、ブラジリアにある小・ミクロ企業支援サービス機関(Sebrae)本部ビル。同ビルは地面の傾斜をうまく使った250万平米の巨大な建築物で、仕上げ素材はほとんど使っていないという。もうひとつはサンパウロ市西部ヴィラ・マダレナにあるビルで、こちらは小さな家屋が密集する中、あまり広くないスペースで地形上の特質を活かした作りとなっている。「サンパウロ市のように9割の建物が建築士の手を経ないで建てられるところで建築士としてやっていくのは戦いだ。それは新しい可能性への挑戦でもある」と語っている。
 もうひとつ選出されたのはサンパウロ市南部ジャルジン・エウロッパの4×30形式の建物で、こちらは建築士のロウレンソ・ジメネスさんが妻のクララ・デ・オリヴェイラさんなどと組んだもの。オランダや日本の家屋を研究して生まれた、狭い敷地を効果的に生かした部屋作りが特徴的だ。
 ここ4年、BIAUの審査員を務める建築家のアビリオ・ゲーラさんは「現在はサンパウロの建築家が強いが、今後は変わる可能性はある。次の選考会の時は、オリンピックを控えたリオの建築物が選ばれる可能性もある」と語っている。

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