ニッケイ新聞 2012年6月5日付け
【パラー州ベレン発】アマゾン森林友の会(ASFLORA)と東京農工大のアグロフォーレストリィ(森林農法)普及JICA草の根プロジェクト、エスペジット・リベイロ入植者協会(ATRAER)は5月23日午前9時より、サンタバルバラ郡のエスペジット・リベイロ入植地で「DIA DO CAMPO」という農業講習会を開催した。
農工大プロジェクトの提携先であるトメアスー総合農業協同組合(CAMTA)から鈴木エルネスト技師、ジナルド・サントス技師、イガラッペアスー油椰子社(PALMASA)工藤・ダビ氏、パラー州輸出木材工業協会(AIMEX)エルトン種苗担当者、市福祉担当者、アマゾン森林友の会からは佐藤卓司、マルルッシ、アンデルソン、教会関係者及びエスペジット・リベイロ地区入植者約40人が参加した。
エスペジット・リベイロ入植地は、ベレン市から車で約1時間の距離。この入植地は6年前から開拓を始め52家族が入植している。農工大では、JICAの草の根プロジェクト「遷移型森林農法普及・認証計画」を昨年11月から開始した。
その一環としてアマゾン森林友の会(ASFLORA)が、地球と未来の環境基金(EFF)・緑の基金による同入植地の支援活動を4年前から実施してきたことを評価し、同集落の共有地1ヘクタールに、森林農法の展示普及農場が設けられた。
この講習会では、5月中旬に同入植地全戸が待ち望んでいた電気がつき、その電気の恩恵を受け、プロジェクターを利用してトメアスー移住地の歴史や森林農法をビデオで紹介した。
八十余年を経て、現在のトメアスーが農協を中心に、熱帯での持続可能な農業モデルを作り上げたことも紹介した。トメアスー農協のジナルド技師は、「トメアスー移住地も多くの支援を受けて現在がある。その支援を受け、またそれを生かせたのは、組合を中心に農業者がまとまったからだ」と強調すると、入植者たちは学ぶことが多いらしく熱心にビデオに見入っていた。
当入植地の指導者であるミランダ会長は、入植者を如何に纏めるかに苦労しているだけに今回の講習会開催には期待していた。講習会は昼食を挟んで、午後3時まで続き、農業を楽しく学んで閉会した。(パラー州ベレン通信員下小薗昭仁)