サンパウロ市市長選=マルタはハダジ支援せず?=PTのフェスタに欠席=PRがセーラ応援を発表=知名度の差一段と拡大か
ニッケイ新聞 2012年6月6日付け
労働者党(PT)がサンパウロ市市長選への候補者としてフェルナンド・ハダジ氏を紹介するフェスタにマルタ・スプリシー上議が欠席し、波紋を呼んだと3、4日付伯字紙が報じた。4日には、PT政権与党の共和党(PR)が民主社会党(PSDB)のジョゼ・セーラ候補を応援と発表。市長選への動きが段々形をとり始めた。
セーラ氏が市長選に出馬するなら何としても雪辱をとの、怨念ともいえる思いをルーラ前大統領らによって断たれたマルタ氏にとり、ハダジ氏への協力は予想以上の抵抗となっているようだ。
2日の会合とフェスタは、ハダジ氏を市長選候補として知らしめ、正式な出馬登録前に士気を高めるためのものだが、元市長でサンパウロ市やサンパウロ州のリーダー格のマルタ氏が無断で欠席し、気まずい雰囲気が広がっている。
マルタ氏は知名度も高いが拒絶度も高い事が市長選での2度の敗北の原因と考えた前大統領が、サンパウロ市には若くて情熱のある人材が必要と繰り返すのに対し、5月21日に「新しいだけでは選挙に勝てない」との言葉を発したマルタ氏。出席を約束していた会合に無断で欠席した事は、前大統領やPT執行部への無言の抵抗といえよう。
マルタ氏がハダジ氏出馬に関する会合に欠席したのは2度目。党内部ではサンパウロ市南部や東部に強力な地盤を持つマルタ氏抜きで市長選を戦わなければならないかとの見方も強まってきた中、PT関係者を慌てさせたのが、連立政権与党のPRがセーラ氏支援に合意との知らせだった。
PR党首はジウマ政権の汚職追放で運輸相を辞任したアウフレッド・ナシメント上議で、後任のパウロ・セルジオ・パッソス運輸相の交代をハダジ氏支援の交換条件としていたが、ジウマ大統領の要請却下で、セーラ氏支援に回ったようだ。
セーラ氏はこれで、進歩党(PP)と民主党(DEM)、社会民主党(PSD)、緑の党(PV)に次ぎ、5番目の政党支援を得た事になる。新党のため政見放送の枠を持たないPSDを除く4党分を加算したセーラ氏の政見放送の時間は、8分26秒で最長。PRのチリリッカ下議もセーラ支援を呼びかける戸別訪問を約束している。
一方、ハダジ氏は、ルーラ氏が選挙協力の合意獲得を目指している社会党(PSB)とブラジル共産党(PCdoB)分を加えても6分8秒。キリスト教社会党(PSC)とキリスト教労働者党(PTC)、自由社会党(PSL)の支持を得た民主運動党(PMDB)のガブリエル・シャリッタ氏は、4分34秒分の権利を得ている。
セーラ氏と支持層が似ている上、知名度が低くて政見放送の時間が短いハダジ氏が低所得者層での票を伸ばしうるかは、マルタ氏の協力いかんにかかっている状況だ。