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CEFが住宅ローン変更=期間延長し金利も引下げ=高額物件の購買意欲促進へ

ニッケイ新聞 2012年6月7日付け

 連邦貯蓄銀行(カイシャ・エコノミカ・フェデラル、以下、CEF)は5日、住宅ローンの35年までの延長と金利引下げを発表した。6日付伯字紙が報じている。
 CEFは11日から、最長30年だった住宅ローンの返済期間を過去最長の35年まで延長する。他の銀行のローンは最長30年だから、国内でも最長となる。
 それと同時に貸付金利の引下げも行う。ポウパンサ(貯蓄預金)を資金源とする住宅金融システム(SFH)を利用して50万レアル以下の物件を購入する場合、CEFの顧客か給与受取用の口座を持っている人は従来の年7・9%が7・8%に、それ以外の人は9%が8・85%に引下げられる。
 SFHを利用せずに50万レアル以上の物件を購入した場合の年利は、CEFの口座の持ち主は9%から8・9%、持っていない人は10%から9・9%に引下げ。月々の支払は、SFH物件で80レアル前後、そうでない物件でも65〜70レアルほど安くなる。
 家族収入が1万レアルの人への貸付額は現行の最大26万7千レアルから28万レアル、給与受取用の口座の持ち主なら30万3千レアルまで引き上げられる。また、26万7千レアルの貸付を受けた人がCEFの口座の持ち主なら、11日からの返済額は月3千レアルから2604レアルに軽減する。
 この変更はブラジル銀行が1日に住宅ローンの金利の切下げを行ったことを受けて行われた。CEF住宅部のジョゼ・ウルバノ・ドゥアルテ副部長は、「ローン期間延長が、これまで手が出なかった高額物件に消費者が手を伸ばすきっかけとなれば」と語っている。
 だが、CEFで現在30年のローン利用者は全体の4%のみでローン長期化の効果は疑問だ。需要が増えて住宅費が高騰するのを恐れる声も出てきている。
 CEFの動きを受け、ブラジル、HSBC、ブラデスコ、サンタンデールの各銀行は住宅ローンの見直しを検討する意向だ。HSBCではローン期間を延長する予定はなく、イタウでは事例毎に金利を決めるとの見解を見せている。
 CEFは、建築業者向けのローンの金利変更も行う。住宅を建築する業者がCEFに口座を有している場合、金利は11・5%から9%に、そうでない場合も10・3%に下がり、返済期間も24カ月から36カ月に延長される。商用ビル建築の場合は、年14%から11%となる。また企業が自社用の物件建築や購入を行う場合は、13・5%から11・5〜12・5%になる。

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