ニッケイ新聞 2012年6月9日付け
10日にサンパウロ市パウリスタ大通りとコンソラソン通りで第16回ゲイ・パレードが行われ、地下鉄と警察が対応に追われている。7〜8日付伯字紙が報じている。
今年のパレードは10日の正午にMASPからスタートするが、300万人の人出を見越し、午前10時から車両の通行規制が始まる。パウリスタ大通りコンソラソン方面行きはテイシェイラ・ダ・シウヴァ通り〜アウグスタ通り、パライゾ方面行きはブリガデイロ・ルイス・アントニオ大通り〜パドレ・ジョアン・マヌエル通りが午前10時から通行止めとなり、11時半からは通行止め区間を両方向ともコンソラソン通りまで延長。正午からはアラメイダ・サントス以北のコンソラソン通りやイピランガ大通り、サンジョアン大通りなども通行止めとなる。
市はパレード参加者に公共の交通機関を使うよう呼びかけており、サンパウロ市地下鉄も、1号線68本、2号線108本、3号線84本の計260本を増発の予定だ。
会場付近の警備には軍警1500人、市警備隊700人、民間警備員250人を動員し、同性愛嫌悪者の襲撃や窃盗事件などの防止に努める。サンパウロ市での同性愛者を標的にした犯罪は10年〜11年に41%増えており、リンチ殺人なども懸念されている。私服警官70人は〃ヴィーニョ・キミコ〃と呼ばれる麻薬取締りも行う。5月5〜6日のヴィラーダ・クウトゥラルで死亡した17歳少女は、麻薬と酒の混合摂取が原因と見られている。パレード終了後の午後8時からは、セントロのレプブリカ広場やラルゴ・ド・アウロッシェの警備が強化される。
今年のパレードの費用は昨年より12万レアル少ない32万5千レアルで、先導役のトリオ・エレットリコも2台少ない14台。ゲイ・パレード協会のフェルナンド・クアレズマ会長は、「偏見が根強く資金協力が得難かった」と語っている。