ニッケイ新聞 2012年6月12日付け
サンパウロ市の学校が、生徒の送迎によって引き起こされる交通上の混乱を減少させる対策を行っている。10日付伯字紙が報じている。
現在、サンパウロ市の交通技術公社(CET)が監視している127校のうち、18校が「交通渋滞注意校」にあげられている。これらの学校の周辺は、子供の送迎をする親たちが二重駐車や禁止区域への駐車を行うことで渋滞が起きており、1〜4月に起きた二重駐車の違反件数は1万421件。昨年同期の二重駐車は1万251件だった。
学校側の対応はそれぞれの形で進んでおり、南部ヴィラ・マリアーナ区のマリスタ・アルキジオセザノ校は、ショッピング・サンタクルスの駐車場を通常の1時間8レアルより格安の1時間2レアルで駐車できるように提携した。同じ南部のサンタマリア校は送迎の車を校内に入れるようにしているが、車の通行量がより少ない道に出られる門の新設で、車の列が10分短縮された。同校ではスクールバスの乗降場も校内のサッカー場の横に移したため、25台のバスが路上待機する必要がなくなった。
通学時間による渋滞回避の方法もあり、パウリスタ大通りにあるサンルイス校は、送迎車用の専用道路を設けると共に、登下校の時間を学年毎にずらした。ジャウー大通りのダンテ・アリギエリ校では、朝の部と午後の部の入れ替え時間を延ばし、午後の生徒の親には敷地内への車の乗り入れを認めている。
交通評論家のフラミニオ・フィッシュマン氏は「今日は皆が車で学校に通っているから、学校側が交通渋滞に対する対策をたてるべきで、CETがその可否を吟味すべきだ」と語っている。同氏によると、送迎車用の専用道を作ることが最善の解決策であるという。