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アレフ氏に新たな疑惑=ショッピング建設でも賄賂=BGE社元会長が証拠提出

ニッケイ新聞 2012年6月15日付け

 多国籍企業の元理事が、不動産横領疑惑に揺れるサンパウロ市建設許可課(Aprov)元課長ウサイン・アレフ・サアブ氏とアウレリオ・ミゲル市会議員にショッピングセンターにまつわる賄賂を支払っていたことを暴露した。14日付フォーリャ紙が報じている。
 多国籍企業ブルックフィールドの子会社BGEは複数のショッピングセンターを経営しているが、BGEがショッピング・イジエノポリスとショッピング・パウリスタの建設許可を得るために、アレフ氏とミゲル議員に08年から10年に160万レアルの賄賂を支払ったと暴露したのは、BGEの会計担当理事だったダニエラ・ゴンザレス氏だ。
 アレフ氏は課長在任中の7年で106の不動産を不正に購入した汚職疑惑で5月から渦中にある人物で、ダニエラ氏によると、ショッピング・イジエノポリスでは、駐車場の収容台数が法の基準を満たしてないという問題で13万3千レアル、別件も2回で計82万360万レアルの賄賂を受け取ったアレフ氏が建設許可を出した。ミゲル議員は交通技術公社(CET)と交渉し、同様に法の基準を満たしていないショッピング・パウリスタの拡張工事を了承させたという。
 アレフ氏とミゲル議員はこの告発を否定しているが、ダニエラ氏は、フォーリャ紙と検察局に、ブルックフィールド社の理事たちが取り交わしたEメールや領収書の写しを証拠として提出した。ダニエラ氏によると、支払いを担当したのは同社と取引のあったPAN運営サービス社とセロン土木&不動産事業社の2社だったという。
 PAN社とセロン社が架空の領収書を切って正当化した金はショッピングの駐車場で手渡されており、ダニエラ氏は、賄賂の授受は「こういう世界では日常茶飯事」だという。「ショッピングのトイレ改修工事の管理と監査」の名目で、セロン社がアレフ氏に支払った57万6千レアルの賄賂はその一例で、「200万レアルもかけて改修したトイレって世界一高価なんでしょうね」とダニエラ氏は皮肉っている。
 ダニエラ氏は08年6月から10年4月までBGEの理事をつとめており、在任中に賄賂の支払を拒み、実態を親会社のブルックフィールド・ブラジルのルイス・シモンエス・ロペス社長に相談したところ、「わが社のやり方がわからない人間とは仕事はできない」と言って、辞表の提出を求められたという。
 辞職後も迫害されたダニエラ氏は、「賄賂の支払い拒否と告発に対する報復だ」として名誉毀損でBGEを訴え、未払い分のボーナスと賠償金の支払いを求めたが、BGEは逆に、彼女は夫が経営するコンピューター会社に便宜を図り、金を横流ししたと訴えている。