ニッケイ新聞 2012年6月15日付け
サンパウロ市内のレストランやバールを襲っていた集団強盗のリーダーで16歳の少年が、12日に逮捕された。14日付エスタード紙が報じている。
ジジという通称で知られる少年は、2月から連続していたレストランなどでの集団強盗のうち12件に絡んでいたとされる。逮捕は4度目で、保護観察の元で釈放されていた身分だった。
ジジによる強盗団の構成員は最低15人ほどとされ、全員がサンパウロ市中央部のグリセリオの住人だという。その中の何人かは既に身元が割れている。ジジ逮捕の決め手となったのは、被害に遭った店の防犯カメラの映像に、サッカーのアルゼンチン代表のリオネル・メッシのユニフォームを着ていた本人が2度映っていたことだった。
また、ジジと共に、ジエゴ・デ・ゴドイ容疑者(23)も逮捕された。同容疑者の家からは携帯電話やコンピューター、宝石などの盗品数百点と警察官から盗んだ銃を含む武器3丁、射撃練習に使ったと見られるパネルなどが見つかった。
担当の警部によると、ジジは一団の中で襲撃する店を決める役で、祖父の車を借りて場所を確認後、別の盗難車に乗って襲撃に出向いていた。襲撃は5人組で行い、ジジは12件のうち6件に参加していたことが確認されている。ジジは現在、少年院に送られ、裁判所が釈放するか否か判断するのを待っている。
サンパウロ州政府は12日に集団強盗への対策を発表したばかりだが、軍警は被害に遭いやすい地域や店の割り出しなどを早急に行う予定。サンパウロ市南部のイタイン・ビビを、サントアンドレ市で既に実行されている市民が警察を助けるプログラム「ヴィジニャンサ・ソリダリア」を最初に適用する地域として選出し、来週より実施するほか、レストランなどの代表との会合を定期的に行うともいう。