ニッケイ新聞 2012年6月20日付け
サンパウロ連邦大学(Unifesp)グアルーリョス・キャンパスの学生ストが、泥沼化しそうだ。18〜19日付伯字紙が報じている。
Unifespの学生がストに突入して既に80日ほどが経つ。学生たちの要求は、3千人の学生が収容可能な校舎の建設、学生寮の建設、食事施設の刷新、経済的に困っている学生への住居や食事のための手当ての増額、通学のためのバスの本数の増加と料金の値下げなどである。
だが、学校側との歩み寄りが見られないまま、14日夜、軍警が構内に立てこもっていた学生22人をガラスや施設を破壊したとして、公共物破損の容疑で逮捕した。
学生側は軍警が催涙ガス弾やゴム弾を使用したことや仲間が逮捕されたことを不服とし、18日18時〜20時にサンパウロ市パウリスタ大通りで軍警に対する抗議行進を行い、1・8kmの渋滞を引き起こした。垂れ幕には「PT(労働者党)+PSDB(民主社会党)+PM(軍警)=教育に対する抑圧」などと書かれていたという。
ヴァルテル・アウベルトーニ学長は「新しい校舎も18カ月ほどでできるのに」と学生たちの行為に不満を漏らし、「施設改善を求めての教員や学生のストは認めうるし、過去2回のように平和的な構内侵入は話し合いができるが、今回は占拠せよと叫び、ガラスを割ったりもした。軍警の処置も仕方がない」としている。
一方、連邦大学の教員ストも解決せず、職員まで合流。そのため、18日〜22日に受付ける連邦大学選抜システム(SISU)の定員枠3万548のうち2万2902を受け入れる大学がスト中という異例の事態が起きている。また、ストの焦点となっている教員給与の見直しについて、19日に予定されていた会議も延期されている。