ニッケイ新聞 2012年6月22日付け
愛知県刈谷市在住の大野義明さん(74)が、ブラジルでの体験などを綴った『大アマゾンを翔る』(279頁)を昨年5月、栄光出版社(東京)から出版した。
1961年に来伯。サンパウロ市を拠点にフォード、GM、フォルクス・ワーゲンなどでエンジニアとして活躍。94年には日本に戻り、人材派遣会社を立ち上げた。
68歳だった2006年に大病を患い、療養のためまとまった時間が出来たことを契機に「自分が生きた証を残したい」との思いで筆を執った。
移民経験者独特の視点で日本社会を皮肉った第一章「皆さんが気付かない異常な日本人社会」をはじめ、自身が船内で書いた手紙などに基づく航行の詳細な様子、ブラジル生活での多数のエピソード、現代日本への提言など、豊富な内容となっている。
大野さんは「特に移民船内や船旅の様子は、正確かつボリュームがある。当時の雰囲気を知ってもらえれば」と自信を見せた。
購入希望は太陽堂書店(11・3207・6367)まで。