ニッケイ新聞 2012年6月27日付け
今月、グルッポ・サンセイ(ロンドリーナ市、城間美智子代表)のメンバー40人が6日から5日間、北海道札幌市で開かれた『第21回YOSAKOIソーラン祭り』に出場し、コンクールでは奨励賞を受賞した。ロシアや台湾など海外諸国も祭りに参加したが、コンクールに出場したのは同グループのみ。城間代表(49、三世)は「皆が達成感を感じている」と感動を伝えた。
2008年にゲスト出演して以来、1競合チームとして出場するという悲願を胸に、2年7カ月の間55回ものビンゴやバザーを実施し、160社から援助を得て資金180万円を集めた末の訪日を果たした。
「ゲスト出演で本場の祭りへの憧れが更に強くなった。頑張るには、大きな夢が必要」と城間代表は闘志の源を説明、「ブラジル代表として、協力してくれた皆や飯島秀昭さん(当地大会の創始者)に恥をかかせたくない」との想いもあり、メンバーらは3カ月の間、土日も返上し毎日練習に汗を流した。
大通りのパレードでは、観客も笑顔でリズムに乗って手拍子をした。リーダー田中タチアナさん(22、三世)は「皆すごく喜んでくれた。ブラジルのアレグリーアを伝えることができたと思う」と喜んだ。
両国日系人が浜松で交流=地元住民ら2百人が参加
グループは同祭後、静岡県浜松市を訪れ、静岡文化芸術大学の学生実行委員会主催の『舞・響・結 よさこい×ソーラン』に参加、現地の学生や地域住民らと交流を行なった。
城間代表がロンドリーナ出身で知人でもあった石川エウニセ同大准教授のもとへ交流希望が寄せたことがきっかけ。
国際交流学科の池上教授らが進める「多文化共生社会の実現に向けた交流支援と学習支援のあり方をめぐる実践的研究」の一環として企画された。
イベントには現地ブラジル人学校の生徒らも和太鼓や歌で参加し、肌寒い日にも関わらず、地域住民や子どもの保護者など約200人が集まった。
同大の日系ブラジル人学生が日ポ両語で司会を進め、ムンド・デ・アレグリア学校(南区高塚町)が和太鼓、エスコーラ・アレグリア・デ・サベール浜松校(東区天王町)が歌やソーラン節を披露、最後は全員でマツリダンスを楽しんだ。
池上教授は「地球の反対側とこちら側がひとつにつながった瞬間だった。感動的な場面で涙が浮かんだ。両国の日系人の若者たちが日本文化を通して出会う機会となった」と成功を喜んだ。