ニッケイ新聞 2012年6月29日付け
南米王者を決するリベルタドーレス杯決勝第1試合が27日に行われ、アルゼンチンが誇る歴戦の王者ボカ・ジュニオールスに対し、コリンチャンスが新人ロマリーニョのゴールで敵地において1—1で引き分け、悲願の初優勝に一歩近づいた。28日付伯字紙が報じている。
同試合は、同杯で過去6度優勝の強豪ボカの本拠地である首都ブエノスアイレスのラ・ボンボネーラ蹴球場で行われた。亜国屈指の人気チームだけに、サポーターの大声援は凄まじいものだったが、コリンチャンスは相手への厳しいマークで守りきり前半を0—0で凌いだ。だが後半28分、ゴール左隅へのこぼれ球をロンカグリアが押し込んでボカが先制した瞬間、蹴球場を埋め尽くしたボカのサポーターが一気に沸いた。
しかし、後半終了間際の40分、後半38分に途中交代で入ったばかりのコリンチャンスのロマリーニョが新人とは思えない美技を披露して同点に追いついた。エメルソンのパスを受けたロマリーニョは、ゴールキーパー越しにゆるやかなカーブを描くシュートを放ち、それが相手ゴールの左隅を揺らした。
コリンチャンスのサポーターはフィールドに火炎瓶を投げつけるほどの興奮状態となり、試合はそのまま引き分けた。
殊勲のロマリーニョは「この試合でのはじめてのボールのタッチがあのシュートになるなんて」と喜びを語った。ロマリーニョは今年のサンパウロ州選手権まではセリエBのブラガンチーノに所属し、コリンチャンスと契約したばかりの弱冠21歳の新人選手。24日の全国選手権のパルメイラス戦で2得点し注目されはじめたばかりだった。このロマリーニョを攻撃の要であるダニーロを下げてまで起用したチテ監督の英断も光った。
コリンチャンスは7月4日、決勝第2試合を地元パカエンブーで行い、勝てば優勝となる。