ニッケイ新聞 2012年7月3日付け
「問題は本質的には解決されていないし、政府機関がそれを理解しているとも思えない」。日本産食品のコンテナー滞留問題に頭を悩ませているのは一社だけではない。
日本食材を扱う別の輸入商は冒頭のように不満をあらわにし「滞留による出費は多大。経営にも少なからず影響しているが、何とかやっていくしかない状況」と嘆く。
サントス税関の検査が責任者の交代でより厳しくなったらしい、ということには同氏も同意していた。現在は大使館の申し入れにより全品検査はしていないというが、また担当者が変わったら元に戻る可能性もある。
人が変わればすべて変わってしまうという当地の現実をふまえた、小手先ではない解決が望まれるところだ。
「もう疲れたんだよね」。取材に応じた某社の社長は後日、こう漏らしていた。言いようのない無念さが、こちらにまで伝わってきた。(詩)