ブラジル国内ニュース(アーカイブ)

268の保健プラン禁止=診療期日違反の企業に罰則=従来の利用者には損害なし

ニッケイ新聞 2012年7月12日付け

 保健監督庁(ANS)は10日、37団体が運営する268の保健プランの販売を禁止すると発表した。11日付伯字紙が報じている。
 ANSが13日からの販売を禁止したのは、グリーン・ライン、ウニメジ・パウリスターナ、トランスモンタノ、プレヴェント・セニオール、エセルシオール・メッドなど37団体の保健プラン。販売禁止となったプラン数最多はグリーン・ラインの36で、ウニメジ・パウリスタの35がそれに続く。ANSの指示に従わずに販売活動を行った場合は25万レアルの罰金が科される。禁止されるプランの詳細はwww.ans.gov.brで確認が可能だ。
 ANSによる販売禁止処置は、これらの保健プランが2011年12月に制定された患者への対応規則を遵守しなかったことが原因だ。民間の保健プランの場合、通常の診察は7日以内、精神科や栄養士、言語療法士らによる特別診療科目は10日以内、診断を下すために必要な検査には3日以内などの対応期日が定められている。
 ANSは3カ月ごとに保健プランの評価を行っているが、対応期日を守らなかった企業への苦情は半年で計6500件に及んだため、苦情が多いプランに対する販売禁止処置の断行となった。
 販売禁止の対象となった保健プランに加入している人はブラジル全体の保健プラン加入者の7%にあたる350万人だが、これらの利用者に対するプランは引き続き有効で、損害を被ることはない。契約した保健プランが期日内に対応してくれない場合は、運営団体と連絡をとって早期の対応を求めると共に、プロトコーロの番号を控えておくことが大切で、問題が解決されなかった場合はANSに苦情を申し立てることが薦められている。
 アレッシャンドレ・パジーリャ保健相は、今回の処置は「違反をおかした企業だけでなく、医療業界全体にとって教育的効果のあるものである」とし、「診療の質の向上につながってくれれば」と語っている。また、ANSのマウリシオ・セッシン代表も「この処分を受けて企業がきちんと期日に対応してくれるようになれば」と期待をかけている。
 一方、保健プランの運営側は、今回のANSの処置に不満を表明。高齢者への対応を専門とするプレヴェント・セニオール社担当弁護士テレーザ・クリスチーナ・メロ氏は、「登録者が15万人いる中、半年間の苦情が240件というのは割合としてはかなり少ない方だ」と語り、処分取り消しを求める。また、35件のプランが販売禁止となったウニメジ・パウリスターナ社も、ここ20カ月の苦情は月平均150件で、100万に及ぶ登録者のうちの0・3%に過ぎないという。

こちらの記事もどうぞ

Back to top button