ニッケイ新聞 2012年7月14日付け
大サンパウロ市圏オザスコで12日未明、4地区で計40発の発砲があり、8人が死亡、2人が重傷を負う惨事があった。13日付伯字紙が報じている。
事件が起きたのは12日の午前1時27分〜4時20分で、最初の現場となったジャルジン・ロシェダーレでは、ジャイルトン・ロドリゲス・ダ・シウヴァさん(29)が1時27分、ロブソン・カルドーゾ・デ・ゴドイ(22)さんが同36分に射殺され、1時30分に撃たれた1人が重傷を負った。
ジャルジン・ムニョス・ジュニオルでは1時43分にダニエル・ペレイラ・メドラードさん(23)、同58分にエジウソン・シルヴェストレ・ダ・シウヴァさん(35)とマルセロ・ルシオ・ガスパール・ロンガリーニさん(41)さんが射殺された。同地区では2時48分にも発砲があり、1人が重傷を負った。4時20分にはアントニオ・カルロス・ジメネスさん(46)も射殺された。
また、ジャルジン・カナアンでは1時55分にデニス・ドス・サントスさん(34)、ジャルジン・ムチンガでは2時9分にアドリアーノ・バルボーザ・ダ・シウヴァ・ソウザさん(25)が射殺された。ソウザさんは12発を浴びていた。
事件は重傷を負った男性によって通報された。目撃証言などによると、犯人は車1台と大型のオートバイ1台に乗った男たち6人によるものと見られる。市警のオザスコ支部長のマウロ・ギマランエス・ソアレス警部は、犯行現場が車なら5分程度で移動できる比較的近い場所であることから、一つないしは二つの殺人グループが行ったのではないかとして調査を進めている。
軍警は当初、事件の直前にブラジル杯優勝を決めたばかりのパルメイラスのファンを狙った犯罪という可能性を疑った。確かに、ロンガリーニさんとエジウソンさんは大型テレビのある場所に試合を見に行った帰りだったが、銃撃された10人中、パルメイラスのシャツを着ていたのはメドラードさんだけで、警察は、優勝祝賀の花火などの音を銃声を紛らす道具に使ったと見ている。
他方、軍警が可能性を排除しきれないでいるのは麻薬絡みの犯罪という線だ。警察によると、事件が起こったのはバーや麻薬取引所周辺がほとんどだったという。
だが、襲撃を受けた10人のうち、麻薬中毒者は1人で、犯罪記録があるのも5人のみ。被害者同士に特別なつながりもなく、警察では、12発の銃撃を受けたソウザさん以外は巻き添えにあって無差別に殺されたのではないかと見ている。ソウザさんは犯罪記録こそないものの、何か個人的な理由があって狙われた可能性があるという。