ニッケイ新聞 2012年7月14日付け
サンパウロ市市長選に絡む同盟や写真で注目を集めたパウロ・マルフ下院議員(PP…進歩党)がサンパウロ市市長時代に行った事業で、検察庁が新たな動きを見せた。13日付エスタード紙が報じている。
検察庁は、マルフ氏が市長時代(1993〜96年)に行ったアグア・エスプライアーダ大通り(現ジョルナリスタ・ロベルト・マリーニョ大通り)建設で、メンデス・ジュニオール社幹部6人とOAS社幹部2人、旧・市営都市化企画(EMURB)幹部の2人を横領とマネー・ロンダリングの容疑で告発した。8人は、建設費用の一部をマルフ氏の国外口座に振り込んでいた疑いがある。今回の告発にマルフ氏は含まれてないが、同氏は昨年、この件に関しマネー・ロンダリングの容疑で告発されている。
旧アグア・エスプライアーダ大通りは、当時世界で最も建設費のかかった道路建設工事として知られ、費用は6億米ドルに及んだ。州検察局は2000年に水増し請求などの疑惑で捜査を開始しており、2002年にメンデス・ジュニオール社の元従業員が建設費の20%はマルフ氏に流れていたと証言。2004年には、マフル氏と建設会社2社の資産50億レアルが差し押さえられた。検察庁によると、6億米ドルかかったとされる建設費の37%は不正に流れた金だったという。
マルフ氏は2005年に国外の口座への送金疑惑の証人の1人を拘束したとして連邦警察から告発され、41日間身柄を拘留されたこともある。今回の建設会社幹部告発は、一連の不正疑惑に関する連邦警察の捜査資料を基に行われた。
マルフ氏は6月、労働者党(PT)のサンパウロ市市長候補フェルナンド・ハダジ氏をPPが支援すると約束した折、ルーラ前大統領らを自宅に迎えて写真に写り、これに憤慨したルイザ・エルンジーナ元市長がハダジ氏の副市長候補を辞退したことで話題となっていた。