ニッケイ新聞 2012年7月18日付け
リオの地下鉄が中国製の新型車両を購入することになり、トンネルと駅の改修の必要性が生じたと17日付エスタード紙が報じている。
リオ地下鉄は6両編成の中国製新車両19台を3億2千万レアルで購入し、2013年3月までに運行させる予定だが、新車両の様式が現行車両と異なるため、専門家は駅やトンネルを新車両に対応させる必要があると分析している。
現在リオやサンパウロ市で使用中の車両は全車両にモーターがついており、車両自体が重くなる分、線路への密着度も高くなる。他方、「ロボット電車」の異名も取る新車両は、モーターがついた車両がモーターのない車両を牽引する形をとるため、車両全体は従来型より軽量化されるが、そのために線路への密着度が低くなり、横揺れしやすくなるという。
70年代にリオの地下鉄計画に従事したリオ連邦大学教授のフェルナンド・マクドウェル氏によると、軽量車両は脱線やコンクリート製の構造物との接触などの事故が起きやすい。「速度が速くなればなるほど揺れは激しくなり、トンネルが狭いと接触事故につながる危険性がある」という。
新車両が横揺れしやすいため、電車周辺の稼動域に余裕を持たせるにはプラットフォームの幅を2〜3センチ短くするなどの対策が必要となる。また、カーブの部分やトンネルでも同様の対応が必要だという。
リオ地下鉄は、8月から新車両2台の使用をはじめる予定。残り17台は、市南部のイパネマから西部のバラ・ダ・チジュッカをつなぐために延長工事中の地下鉄4号線に導入する意向だ。新車両の導入で、収容能力は63%増えるという。