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TAM機事故の遺族再会=悲しみと喜びを分かち合う
ニッケイ新聞 2012年7月18日付け
2007にサンパウロ市で起きたTAM機事故から5年後の17日、犠牲者の遺族がメモリアルパークで再会をはたした。
ポルト・アレグレ発の機がコンゴーニャス空港の滑走路をオーバーランして突っ込んで炎上したTAM Expressの社屋跡は、焼け残った木を中心に池や犠牲者199人を偲ぶ照明などのある広場となった。
同日付G1サイトによると、すべての遺族が事故の悲しみを今も胸に秘めているが、最も困難な時期に励ましあった仲間は大きな家族でもあり、悲しみと喜びを分かち合う間柄になっている。
14歳の一人娘を失ったダリオ・スコット氏と妻のアナ・シウヴァさんの場合は、仕事や遺族会の仕事に熱中する事で痛みを乗り越えようとした例で、2009年にやっと長女の火葬が実現。
事故直後は、「5年後には家族も増えている」との友人の言葉が信じられなかった夫妻も、葬儀の後、家族が増える事を願い始め、アナさんが53歳の時人工授精に挑戦した結果、双子が誕生した。トーマス、アナと名付けられた2人は現在1歳10カ月だ。
家族を失った悲しみと得た喜びの両方を味わった遺族は複数おり、追悼と事故再発防止への願いと共に皆がそれぞれの思いを分かち合った。