ニッケイ新聞 2012年7月24日付け
ダッタフォーリャがサンパウロ市市長選に関する最新の調査結果を発表し、ブラジル共和党(PRB)のセルソ・ルッソマノ候補が1位のジョゼ・セーラ候補(民主社会党・PSDB)に迫ってきていることが明らかとなった。21〜22日付伯字紙が報じている。
19〜20日にダッタフォーリャが1075人のサンパウロ市の有権者を対象に行った調査によると、「どの市長候補に投票するか」との問の1位は前回同様、セーラ氏だったが、支持率は前回の31%から30%へと微減した。一方、これまでも2位につけていたルッソマノ氏は支持率を2%上げ26%となった。同調査の誤差は3%とされ、ルッソマノ氏がセーラ氏と引き分けたとの見解を示している。
また、6月25〜26日の調査で躍進が注目された労働者党(PT)のハダジ候補は社会大衆党(PPS)のソニーニャ候補と並んで7%に止まり、民主運動党(PMDB)のシャリッタ候補が6%、民主労働党(PDT)のパウリーニョ候補が5%で続いている。また今回の調査では、ハダジ氏支援に回るために立候補を取りやめたブラジル共産党(PC Do B)のネッチーニョ候補を対象から外した。
ルッソマノ氏の今回の躍進の鍵は〃宗教〃の存在で、同氏が出演するレコルジ局のTV番組「バランソ・ジェラルSP」の最新放送が先月末にあった。レコルジ局とPRBは、「神の王国国際教会(ウニベルサル)」の強い影響下にあることで知られている。また、同氏は先週、カトリック系の大きなイベント二つに参加していた。前回調査で6%の支持を得ていたネッチーニョ氏の票がルッソマノ氏に流れたという見解もある。
この結果を受け、セーラ氏は「数カ月前には考えられない結果で驚いている」と答え、ルッソマノ氏は「サンパウロ市市長選はPSDBとPTだけの争いじゃない」と自信を見せた。また、ハダジ氏の支持率を二桁台に乗せたかったPTにとっては手痛い結果となった。
ダッタフォーリャはブラジル6大都市の現職市長の評価も調査したが、カサビサンパウロ市市長は「満足」が20%で「最悪」が39%、10点満点の採点基準のうち4・4点に止まり最下位となった。他の市長の評価は、ベロ・オリゾンテのマルシオ・ラセルダ氏(ブラジル社会党・PSB)が6・4点でトップ。以下、リオのエドゥアルド・パエス氏(PMDB)が6・3点、ポルト・アレグレのジョゼ・フォルトゥナチ氏(PDT)が6・1点、クリチーバのルシアノ・ドゥッシ氏(PSB)が5・6点、レシフェのジョアン・ダ・コスタ氏(PT)が5・0点となっている。ラセルダ氏とパエス氏は共に再選を狙っており、今回のダッタフォーリャ調査によると、ラセルダ氏が44%、パエス氏が54%の支持を得て、選挙戦を優位に進めていることも明らかになっている。