ニッケイ新聞 2012年7月25日付け
21、22日に開かれたグァタパラ移住地入植50周年祭・収穫祭の記念演芸会で、神楽を披露したのは古田川猛さん(44、広島)。日本生まれの古田川さんは、ブラジル神楽保存会の元メンバーだ。ブラジルで8歳の時に神楽を始め「自分は神楽バカ。本場で勉強したいとずっと思っていた」が、帰国して20年日本に暮らした間も、なかなか真剣に学ぶ機会は得られなかった。しかし、ブラジルに戻って来ると、島根県の研修制度に巡り合い、石見神楽の研修に。今度こそ、ブラジルで神楽の普及に力を入れてほしい。
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JICA派遣の太鼓指導者、蓑輪敏泰さんは「ブラジルの子供達の体にはサンバ(のリズムが)入っていて、教えるのが難しい」と語る。先週末の太鼓選手権大会では4拍子の崩れを指摘し、ブラジルの教育課程に音楽がないことを理由に挙げていた。しかしながら各チームが実力向上していることも事実。「日本の全国大会で若葉太鼓が特別賞を取ったのは、レベルが上がってきたことの一つの証明」と指導の結果を実感している。
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当地に事務所を開設するため来伯した、海外移住旅行社の保崎利根雄代表取締役によれば、近年日本人用ガイドが激減している。サンパウロへの観光客が少ないことが原因のようだ。しかし、五輪やワールドカップの折には多くの観光客が訪れるのは必至。「市や日本人移民の歴史も含めて解説できるような、若いガイドを育てていきたい」と話している。