ニッケイ新聞 2012年7月28日付け
ロンドン五輪男子サッカー予選は開会式前日の26日にはじまり、金メダルの期待のかかるブラジル代表は対エジプト戦で3点を先制したが追いつめられ、3—2で辛くも逃げ切る後味の悪いスタートとなった。27日付伯字紙が報じている。
英国ウェールズのカーディフにあるミレニアム・スタジアムでの試合序盤は、完全にブラジルペースで、前半15分、ペナルティ・エリアでオスカールからのパスを受けたラファエルが左足でシュートを決め先制。25分には、オスカールからのパスをレアンドロ・ダミアンが決め2点目。ストライカーの期待を込められながら代表戦でなかなか結果が出せなかったレアンドロの代表戦1年ぶりの得点だった。
29分にはウルクからのセンタリングを受けたエースのネイマールが相手マークをかわしてヘディング・シュートを決め3点目。この時点で楽勝かと思われたが、後半は思わぬ展開になった。
後半6分、エマッドのシュートがゴールポストに当たって跳ね返った球をアブトリカが押し込んでエジプトが1点を返すとスタジアムが沸いた。ブラジルはその後も相手に攻め込められ、大きなチャンスを3度作られた。最初二つはしのいだが、後半30分、相手方ペナルティ・エリアへのロングパスを止めそこなったフアンのこぼれ球をサラーが決め2点目。
その後は相手の反撃を抑えて3—2で勝ったが、27日伯字紙は「黄信号」「息切れ」「無気力」など酷評。マノ監督は「攻撃陣が相手にボールを取られすぎる。ディフェンダーが同じタイミングで攻撃に参加して守備が甘くなるなどのミスもあった。経験不足が出ている」と指摘。同じ26日は、ブラジルと優勝争いをすると目されているスペインが日本に0—1で破れた。ブラジルの次戦はブラジル時間29日午前11時の対ベラルシア戦。