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湖西市の女児死亡自動車事故=30日に国外犯処罰判決へ=パトリシア容疑者出廷か

ニッケイ新聞 2012年7月28日付け

 【既報関連】デカセギ帰伯逃亡事件が一件終息へ—。2005年10月、静岡県湖西市の交差点でブラジル国籍の派遣社員、フジモト・パトリシア容疑者の運転していた車が山岡理恵さんの車に追突し、後部座席に乗っていた娘の理子ちゃん(当時2歳)が死亡した事故から約7年。30日、サンパウロ市ピニェイロス区の地方裁判所で開かれる国外半処罰(代理処罰)の公判で、判決が下される見込みだ。事故数日後、パトリシア容疑者は家族とともに突然ブラジルへ帰国し、国際指名手配されていた。
 「日本で犯した罪は日本で裁かれるべき」—。事故後山岡夫妻は、地元国会議員や知人の協力を得てNPO団体を結成し、両国間での犯罪人引き渡し条約締結を強く求めた。わずか半年で70万人の署名を集め日本の外務省へ提出するなど、大きな反響を呼んだ。
 パトリシア容疑者は帰伯後、本籍地のサンパウロ市南部ブタンタン区の自宅に家族と住んでいたとみられている。07年、父親のロベルト氏は本紙取材に対して日本の警察の調べとは真っ向から対立する主張をし、日本のテレビにも出演して弁明に終始した。一方、在日ブラジル人からは「自分達のイメージまで悪くなる」とインターネット上で批判の槍玉にも挙げられた。
 夫妻は、ブラジルの刑罰が軽いこと、容疑者側からの謝罪の意思が全くみられなかったこともあり、国外販処罰ではなく容疑者引き渡しを望んできた。しかしその後、具体的進展がみられないことから、09年6月に代理処罰の申請手続きに踏み切っていた。
 今月24日に本紙が同地方裁で職員に尋ねたところ、裁判にはパトリシア容疑者、証人として家族2人が法廷に召喚されている。同職員によれば、今回は被告側の証言を聞いた上で、判決が下される予定だという。