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湖西市女児死亡自動車事故=検察官「2カ月後に判決」=次回公判はSC州で

ニッケイ新聞 2012年8月1日付け

 【既報関連】先月30日午後、サンパウロ市ピニェイロス区の地方裁判所で、2005年10月に静岡県湖西市で起きた山岡理子ちゃん(当時2歳)死亡事故の国外犯処罰(代理処罰)の公判が行われたが、パトリシア・フジモト被告が眼の病気(結膜炎)を理由に法廷に現れず、判決は先送りとなった。
 裁判後、報道陣の取材に応じたエリアーネ・パサレーリ検察官によれば、パトリシア被告は現在サンタカタリーナ州に住んでおり、次回は同地ジョインビレ市の裁判所で公判が開かれる(日時は未定)。そこで被告の証言を聞き、その後、改めてサンパウロ市の裁判所で判決が下される見通しだ。同検察官は、今から2カ月後には本件は収束するとみている。
 本件は09年6月に遺族によって国外犯処罰が要請され、10年11月に起訴された。今公判には、弁護士に伴われパトリシア被告の父親、姉が証人として出頭し、証言した。同検察官によれば、裁判中の2人はかなり動揺しており、特に姉は涙を流しながら証言した。ただし、父親は一貫して「(被告に)罪はない。我々は日本から追い出されたようなもの」という以前からの主張を繰り返し、謝罪の言葉は口にしなかったという。
 ただし、同検察官としては「被告に罪があるという証拠は出ている。今からそれが覆されるとは考えにくい」との考えを主張している。
 同検察官によれば、被告が有罪となった場合でも、初犯となるため禁固刑ではなく社会奉仕活動(prestacao de servico)を命じられる可能性があるとするが、「被告が日本から逃亡したことを考え合わせて、より重い罰の求刑している」と明かした。
 また同検察官は、被告が裁判当日に出頭しなかったことも重くみて、「たとえ病気でも、どういう理由であっても出頭すべきだった」との判断を示し、「出頭しなかったことで罪が重くなる可能性がある」と示唆した。「彼女が日本の司法から逃げたのなら、ブラジルの司法からも逃げようとしているとも言える。来なかったのは彼女の責任であり、許されないこと」と厳しく指摘した。