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ネット通信で人種差別=五輪選手の間でも問題が

ニッケイ新聞 2012年8月2日付け

 ロンドンで開催中のオリンピックで、ソーシャルネットワークのツイッターに流された文書が、様々な問題を引き起こしていると1日付エスタード紙が報じた。
 選手や支援者達がインターネットを使って交わす通信は五輪委員会も管理しきれない領域だが、7月31日に、英国の選手を個人的に攻撃する文書を流していた17歳の青年が逮捕され、この問題が表面化した。
 ツイッターで問題が生じた選手には、自国内のアフリカ人移住者への人種差別的な文書を流したギリシャの選手と、サッカーで負けた腹いせに韓国選手に対する差別的コメントを流したスイスの選手の名前がおり、両選手はその後の競技への参加が取り消された。
 一方、被害を受けた選手の中には、ブラジル柔道のラファエラ・シウヴァ選手も含まれている。
 メダルも期待されていたラファエラ選手は、敗戦後、「お前は誰の上にも立てやしない。なぜってお前は黒人だからな」というメッセージを受け取った。「サル」という言葉でなじられた事もある同選手は、「こんな言葉を受け止める心の準備は、私もほかの選手の出来ていないと思う」とツイッター利用者への不満をもらしたが、五輪委員会のメンバーには「忘れてくれ」と伝言。
 英国の選手に送られた文書も、敗戦後の傷に塩を塗り込むようなものだったという。