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IT技術の普及に格差=先進国並みのモエマ地区=一部地域はほとんど無縁

ニッケイ新聞 2012年8月4日付け

 ブラジルの人々の固定電話や携帯電話、インターネットの使用度は世界平均並みだが、アクセスできる程度は地域格差大と1日付伯字紙が報じた。
 ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)がギャロップ調査と2010年の地理統計院(IBGE)による国勢調査の結果を分析した結果、ブラジルでは、15歳以上の人の固定電話や携帯電話、インターネットへのアクセス率(Itic)は51・3%で、世界ランキング72位。アクセス率の世界平均は49・1%だから、ブラジルはそれをやや上回っている。
 世界で最もアクセス率が高いのはスウェーデンの95・8%で、以下、アイスランドとシンガポールの95・5%、オランダの93・5%などがそれに続く。
 世界178カ国の地域情報通信技術の利用先進度を比較した国際電気通信連合(ITU)の「世界デジタル・アクセス指数ランキング」によると、インターネットや携帯電話の普及率は北欧諸国や先進アジア諸国が常にランキング上位に位置しており、アフリカでの普及度はまだ低い。
 一方、各州のItic指数を比べると、最も高い連邦直轄区は72・21%。以下、サンパウロ州64・79%、リオ62・48%、サンタカタリーナ(SC)58・57%、パラナ(PR)55・79%、南大河(RS)54・50%と続く。
 州都別ではSCフロリアノポリスの77・06%が最高で、以下、エスピリトサント州ヴィトリア76・60%、PRクリチバ75・88%、ミナス州ベロ・オリゾンテ74・00%、RSポルト・アレグレ72・02%と続き、経済力1位のサンパウロ市は71・78%で6位、2位のリオ市は71・56%で7位。
 他方、サンパウロ市の地区別Iticトップのモエマ区(93・02%)は全伯でも1位。イタイン・パウリスタ92・30%、アウト・デ・ピニェイロス91・78%など、国連の人間開発指数(HDI)の高い地区がIticでも欧州諸国並みの数値を記録している。
 これに反し、Iticが最も低いのはマラニョン州フェルナンド・フェウコンの3・7%で、携帯電話やインターネットはほとんど使えない。リオのファヴェーラのIticは、ロッシーニャ57・46%、マレー55・94%、最も低いアレモンも50・8%で、富んだ町の貧困地区と貧しい地域の貧困地区の差が如実に出た。
 ブラジルは携帯電話が急増中で、昨年4月の段階でも100人当たり108・34回線が普及。フェイスブックの利用者数は世界第2位と、IT技術の利用が進んでいるが、利用者急増に対し、設備の拡充が追いついていないのも泣き所だ。