ニッケイ新聞 2012年8月4日付け
3日に行われたロンドン五輪女子サッカー準々決勝で、ブラジル代表がなでしこジャパンに敗れ、メダルの夢が消え去った。
ブラジルは前半20分まで果敢に攻め、コーナーキック7本を得るなど優位に試合を進めたが、ゴールキーパー福元を中心とするペナルティ・エリア内の日本の守備は堅く、なかなかゴールが割れない。20分にはペナルティ・エリアの外からフォルミガが強烈なロングシュートを放ったが、福元の好守に阻まれた。
ところが、20分を過ぎると、相手陣営に攻め入ることで隙が出来ていたブラジル守備陣を日本がついてチャンスを作りはじめた。27分、沢のパスが大儀見に通ると、大儀見が左サイトをドリブルで走り抜け、ゴール右隅にシュートを決めて日本が先制した。
後半になっても両チームの試合運びは変わらない。ブラジルは13分、ファウルからペナルティ・キックのチャンスを得たが、マルタがシュートを右にそらした。18分にもロザーナの左サイドからのクロスをクリスチアーネがヘディング・シュートしたが、バーの上を越えた。
逆に後半28分、またもがら空きになったブラジル守備陣営に対し、大儀見からの長いクロス・パスが大野に通り、右サイドを駆け抜けた大野がゴール左隅にシュートを決めて2点目。結局試合はこのまま日本が逃げ切り2—0で勝利した。
アテネ、北京と2大会連続銀だったブラジルは、FIFA女子最優秀選手に5回輝いたマルタや五輪での最多得点を誇るクリスチアーネを中心に金メダルを狙っていたが、守備面で弱点を露呈したことが敗因につながった。
ブラジルに勝ったなでしこジャパンは、スイスに勝ったフランスと6日に対戦。またブラジルサッカーの男子代表は、きょう4日の午後1時にホンジュラスと対戦する。