ホーム | 日系社会ニュース | 弓場農場=劇場50周年行事続々と=北東の伝統文化と交流も=「マラカツーは日本的?」

弓場農場=劇場50周年行事続々と=北東の伝統文化と交流も=「マラカツーは日本的?」

ニッケイ新聞 2012年8月4日付け

 文化省によるサンパウロ州301文化拠点(Ponto de Cultura)の一つに選ばれている、ミランドーポリス市の弓場農場(コムニダーデ・ユバ協会=弓場常雄代表)は、同劇場50周年記念としてOCAとの交流イベントを昨年11月から今年のXマスまで6回にわたって計画、実施している。
 OCAはサンパウロ州カラピクイーバ市にある地域の文化学校で、弓場同様に文化拠点に選ばれている。ここで教えられている北伯や北東伯などのブラジル伝統文化と、弓場農場の日本文化の〃出会い〃を通して、2010年から新しい文化融合を進める取り組みをしている。
 3回目の交流行事となった弓場農場でのフェスタ・ジュニーナ(7月19〜21日)には内輪ながらも400人が集まり、OCAからは7人が参加し、共同生活をしながら交流を深めた。
 同農場の小原(おはら)明子さん(77、東京)は、その時の様子を次のように説明した。OCA講師が行った北東伯の伝統舞踊講座の時に当地風の牛踊りと弓場が用意した牛のどこか獅子舞風の踊りが融合して「とても面白かった」という。北東伯の踊りマラカツー講座をやった時も「膝を曲げて腰を低くする動きが、どこか和風。すり足っぽくて日本人にはやりやすい」とし、意外な共通点を見つけたとの感想をのべた。
 9月には第4回目として、弓場内でブラジル人教師から楽器演奏を習っている人らが招待音楽家と集いを行う。その後かつて同農場でよく上映されていた巡回映画への顕彰としてその歴史紹介イベントも予定されている。
 娘の小原あやさん(39、二世)も「お互いの踊りの中に、土に根ざした動きがあり、交流はとても刺激的だった。ブラジル伝統芸能にも〃遊び〃の要素がたくさんあり、とても楽しく学べた」との感想を語った。
 50周年の最後はXマス公演で飾る。日本で舞踏家として活躍していた明子さんが61年暮に来伯、それを機に同公演に間に合わせるように1週間の突貫工事で同劇場は建設された。以来、バレエすることが弓場農場の文化活動に加わり、現在のユババレエにつながった。明子さんは「今までの交流の成果を発揮した舞台になると思います」と締めくくった。