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歩行者保護の実態は?=取締りの開始から丸1年=1日741件の違反摘発

ニッケイ新聞 2012年8月8日付け

 サンパウロ市の歩行者保護キャンペーンで違反取締りが始まって1年。歩行者が巻き込まれる事故を半分にするという試みは期待通りの効果を挙げておらず、違反件数は1年弱で26万件余と6日付エスタード紙、7日付フォーリャ紙が報じた。
 サンパウロ市の歩行者保護条例は2011年5月11日に発効。当初は啓蒙活動が中心で、違反の取締り開始は8月8日だった。
 交通技術公社(CET)によると、昨年8月8日から今年の7月27日までの違反は26万1723件で、1日741件。方向指示器不使用、信号無視、横断歩道の手前で停まらない、横断歩道上に停車、横断者がいるのに道を譲らないなどの違反が2分に1件摘発された計算だ。この数字にはカメラによってとらえられた違反1481件も含まれているが、街頭で取締りにあたるCET職員の数は決して十分ではないため、実際の違反はもっと多い。
 歩行者保護キャンペーンの効果はあまり高くなかったとされる理由は、11年に交通事故に巻き込まれて死亡した歩行者は617人で、2010年の630人の2・1%減に止まったからだ。
 この数字は歩行者を尊重するという意識がまだ定着していない事も表しており、CET職員が取締りに立つ姿が頻繁に見られるとか、違反切符を切られ罰金を払わされたという経験がない運転者の中には、歩行者保護条例を遵守しようという意識が起きない人も少なからずいるようだ。
 横断歩道に関する違反車の数は、11年2月14日〜4月15日の時点で89・6%、条例発効後だが取締り前の11年7月11日〜22日は90・3%。取締り開始で減少し、一時は60%台にもなったが、今年は2月7日〜29日73・1%、4月24日〜5月4日73・7%で、激減とは言い難い。
 CETが7月にセントロとバラ・フンダ(西部)、ブルックリン(南部)で行った調査によると、歩行者を尊重していた車は3055台中966台で31・6%。車の通りが激しい大通りがなく、信号もない横断歩道の方が、一時停車などが守られていたという。
 CETによると、道路を横断出来るよう停車してくれるなど、歩行者への敬意を感じた事がある歩行者は35・1%。道路を渡りたいという意思表示のために手を挙げるという仕草を知っている人は87・1%いたが、常に手を挙げて車が停まるのを待つは11%。よくやるは12%、たまにやるが25%。やった事がないは52%だから、標識の新設などの行政努力と共に、運転者と歩行者の意識改革も必要だ。

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