ニッケイ新聞 2012年8月8日付け
国外からポルトガル語を修得しに訪れる人が急増中と、5日付フォーリャ紙が報じている。
同紙によると、2009年から11年のブラジルへの外国人旅行者は2万4千人から33%増え3万2千人、国外からの留学生は1万5700人から34%増え2万1千人、国外からの就労者は4万200人から65%増え6万6千人となった。また、今年の学生ビザの発行数は6月25日までに1万4700件、今年登録された外国人就労者は3月31日までに1万4800人で、今年も増加機運を見せている。
それに伴い、ブラジルの語学学校でポルトガル語を学ぶ人も急増中だ。スペイン語学校の「エスパーニャ・アキ」のポルトガル語コースは前年比から85%増の400人、ベルリッツのポルトガル語コースでも70%増の2万人が学んでいる。大学でポルトガル語を専修する外国人も増加中で、アルマンド・アルヴァレス・ペンテアド大学(FAAP)では2009年の123人から110%増の260人となり、サンパウロ総合大学(USP)でも毎学期のように授業のコマ数が増えているという。
4人に1人が失業中のスペインのような欧米諸国の人たちから、BRICS諸国のひとつで、失業率が5・4%と低いブラジルが注目されているようだ。近年、ブラジルへの企業進出が目覚しい中国や韓国出身の学習者も増えているという。
だが、ポルトガル語修得の道も決して楽ではない。必要最低限なポルトガル語習得には、スペイン語話者で半年、英語話者で1年、アジアから来た人は1年半かかるという。また、男性名詞と女性名詞、動詞の活用、単数形と複数形などの違いが難しいだけでなく、ポルトガル語修得の上級者でも鼻母音の聞き取りに苦労したりするという。