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7月度会議所昼食会=南大河州ジェンロ知事が講演=「ビジネスチャンスの宝庫」

ニッケイ新聞 2012年8月8日付け

 ブラジル日本商工会議所(近藤正樹会頭)主催の7月度定例昼食会が先月13日、サンパウロ市内のホテルで開かれ、特別招待された南大河州のタルソ・ジェンロ知事(PT)が「リオ・グランデ・ド・スールにおいての投資促進」と題して講演を行った。
 同知事はポルト・アレグレ市長を2期、ルーラ政権では教育相、法相などを歴任。冒頭、同州について「識字率96%以上、平均年齢65歳、失業率4・5%で教育レベルも高く、全国的に見て優れた数字」と説明し、「他州に比べて抱えている問題は比較的解決しやすいもの。ここ1年はストライキがなく、治安や教育面、衛生面で優れている」とアピールした。
 産業については、「製造業や農業などを中心に多岐にわたっており、特に農業においては強い組合を基盤として確実な生産が行われている」。特に農業については州内に47万世帯ある農家が「一流の技術で旺盛な生産を行っている」とし、その他機械や履物などを中心に「あまり知られていないが、ものづくりが盛んな州」と説明した。
 また道路インフラやエネルギー開発、「全国最大の上下水道プロジェクト」に社会開発銀行(BNDES)、世界銀行、連邦政府などの融資を受けて取り組み、「健全なビジネス環境を整える努力を惜しんでいない」。かつては大手企業しか利用できなかった税制優遇制度を拡大、低金利の融資制度も設けて中小企業からの新規投資を図っているという。
 同知事によれば同州では中小企業の基盤が強く州の6割以上の雇用を創出しており、積極的な支援を行うことでさらなる基盤強化に取り組んでいると説明した。
 州政府のHPでは投資情報のページ「Sala do Investidor」を設けており、関心のある企業向けに広く情報提供が行われている。
 同知事は今月にも英国ロンドンから訪問団を迎えるとして、来場者に対して「わが州はビジネスチャンスの宝庫。安定した経済活動ができるよう州政府が基盤を整える例は全国どこにもない。長期に支えてくれる企業を歓迎している」と呼びかけた。
 代表者交代挨拶では三菱重工業子会社の「CBC重工業」の原口正辰氏、木村学氏がそれぞれ新旧の代表者として登壇し、カワサキ・ド・ブラジルの澁谷吉雄氏、矢崎ブラジルの大川勝巳氏が帰任挨拶、武田薬品工業のジレス・プラッドフォード氏、国際協力銀行リオ事務所の安井豊首席駐在員が着任挨拶を行った。