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サンパウロ州=高齢者までRG提示?=スーパーの酒類販売に不満

ニッケイ新聞 2012年8月9日付け

 サンパウロ州のスーパーマーケットで酒類を買う際、高齢者にまで身分証明書(RG)の提示を求めていることについて消費者から不満の声が漏れている。8日付エスタード紙が報じている。
 これは昨年10月発効の未成年者への酒類販売を禁じる州条例第14592号に基づくもので、消費者が酒類を購入する場合、販売者は写真付の身分証明書の提示を求めることが義務づけられている。ところが、一見して成年とわかる人にもRGの提示を求め、番号や生年月日などを記録するスーパーがある。
 サンパウロ州スーパーマーケット協会(Apas)のロベルト・ロンゴ司法理事は身分証明書の提示要求は「好きでやっているわけではない。これは法律なのだから」というが、州保健局は消費者の個人情報の記録を求める条文はないとしている。
 一方、スーパー側の対応は行き過ぎだと見る消費者は少なくない。エスタード紙がサンパウロ市中央部イジエノーポリスのポン・デ・アスーカルで取材したところ、ある76歳女性は「18歳に逆戻りしたのかと思っちゃったわよ」と笑ったが、48歳男性は「自分の白い髭を見たら明らかに成人だとわかるはずなのに」と首をかしげ、「こんな店にはもう来ない」と憤る77歳女性もいた。
 消費者保護が専門のキム・ジョンウォン弁護士によると心配されるのは個人情報の流出だ。スーパーのレジでは納税者番号(CPF)やクレジットやデビットカードの番号の打ち込みが日常的に行われている。そこに生年月日やRGの番号が加わることに対し同弁護士は「社会福祉サービスは本人と母親の名前の申告だけで利用できるのに」と疑問を呈している。
 Apasは個人情報の漏えいに関し「店で個人情報が記録されるのは最大で24時間だ」として安全性を強調している。

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