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ロンドン五輪ボクシング=ヤマグチが銅以上確定=ブラジル初の兄弟同時メダル

ニッケイ新聞 2012年8月10日付け

 8日、ロンドン五輪の男子ボクシング81キロ級準々決勝でヤマグチ・ファルコンが勝利し、弟のエスキヴァ(75キロ級)と共にブラジル史上初の兄弟でのメダル獲得を確実なものにした。9日付伯字紙が報じている。
 ヤマグチは、昨年の汎米大会で敗れたキューバのフリオ・ラ・クルス・ペラーザを18—15の判定で下した直後、リングにひっくり返り、喜びを爆発させた。「自分の気持ちを吐き出すために選手村の部屋に戻るまで待つなんて無理だ。去年の汎米大会以来の重荷が肩からとれた。とにかくあいつに勝つことしか考えてなかった」と、宿敵への勝利を心の底から喜んだ。ペラーザは現在、同種目の世界チャンピオンで、母国では最優秀スポーツ選手に選ばれるほどの国民的選手だ。
 ボクシングは3位決定戦がないため、準決勝進出と共にメダル獲得が確定するが、ヤマグチの2歳下の弟エスキヴァも6日に準決勝進出を果しており、1大会で兄弟揃ってのメダル獲得となる。これはブラジルでは史上初、五輪のボクシング史上でも1976年のレオンとマイケルのスピンクス兄弟(米国)以来だ。スピンクス兄弟はプロ転向後に揃って世界チャンピオンになっている。
 父親のトゥーロさん(75)は兄弟揃っての快挙に「大きなことを成し遂げてくれた」と大喜び。トゥーロさんがブラジリアン柔術の格闘家、15歳の息子も軍隊訓練生のボクシング・チャンピオンという格闘一家。トゥーロさんの目線は早くも次を見据え、「もう金メダルしか考えてないよ」と発言。ファルコン兄弟は全部で18人(3人は死亡)で、ヤマグチという名前は殺人事件の犠牲となった隣人に捧げるべく、つけられた。
 準決勝はきょう10日で、エスキヴァがブラジル時間の11時、ヤマグチが18時に決勝進出をかけてリングに立つ。