ニッケイ新聞 2012年8月14日付け
ロンドン五輪は12日に終了し、ブラジルは、11日の女子バレーの金メダル獲得などで、史上最多となる17のメダルを獲得した。12〜13日付伯字紙が報じている。
11日のサッカー男子決勝では、ブラジル代表がメキシコに1—2で敗れ、1984年、88年に続く銀メダル。悲願の金獲得はならなかった。試合開始28秒、ディフェンダー、ラファエルの不用意なパスをメキシコが奪い、五輪サッカー史上最速得点となる不名誉な失点を許すとブラジルのペースが乱れた。再三ゴールを攻めるも、メキシコの堅い守りとシュートがゴールの外に行くなど攻めきれないまま、逆に後半29分に2点目を許した。後半ロスタイムにウルクのシュートで1点返し、その後も攻めたが及ばなかった。ブラジル代表は男女とも、14年W杯に向けて守備に課題を残した。
そんなサッカー男子のお株を奪い、11日にロンドン五輪の主役になったのが女子バレーだ。予選グループで米国、韓国に連敗し「予選敗退か」とささやかれてから立て直し、強豪ロシアを大激戦の末に下すなど波に乗っていたブラジル代表は、決勝のこの日も優勝候補の米国を相手にその勢いを見せつけた。
第1セットこそ米国に力負けし11—25で落としたが、第2セットからは猛反撃。ジャケリーニとフェルナンダ・ガライのプレイが冴えを見せはじめたブラジルは、第2、3セットを25—17、25—20で奪って試合の主導権を奪い取り、第4セットも25—17で圧倒。見事金メダルを獲得した。1人で18得点を叩き出したジャケリーニの活躍が光った。
ブラジルは北京に続いて2大会連続の金メダルとなるが、「予選で一番成績が悪かった私たちが優勝なんて、孫の代まで語りたい(タイーザ)」「これはまるで映画の世界よ(ファビ)」と語るように、選手たちの喜びは北京以上に大きなものだ。また、ゼー・ロベルト監督にとっては92年バルセロナでの男子、08年北京での女子に続いて3度目の金となった。
その他、11日には男子ボクシング75キロ級でエスキーヴァ・ファルコンが日本の村田諒太に僅差の判定負けで銀メダル。12日の男子バレー決勝は、ロシア相手に2セットを先取、第3セットもあと1点で金に手が届いていたが、そこから逆転負けで銀に甘んじた。また、近代五種女子でイアネ・マルケスが銅メダルを獲得した。
これでロンドン五輪におけるブラジルのメダル獲得数は金3銀5銅9の17になり、五輪史上最多を更新、メダル獲得順位は前回の北京より一つ上の22位だった。