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失踪若手ボクサーが生還=ファルコン兄弟栄光の陰で

ニッケイ新聞 2012年8月17日付け

 サンパウロ州グアルーリョス在住でボクシング選手のダヴィ・ロウレンソ・ダ・コスタさん(20)が9日から行方不明となり、メディアを巻き込む騒ぎとなっていたが、15日夜、行方が判明した。16日ブラジルメディアが報じている。
 ダヴィさんはサンパウロ市南部サントアマロで行われるブラジルボクシング代表のトレーニングに参加するため、9日朝4時にグアルーリョスの自宅を赤のフィエスタに乗って出たが、トレーニングにも姿を現さず、そのまま行方不明になった。
 普段のダヴィさんは居場所の連絡を欠かさないため周囲が心配。その後も連絡がつかないため、父親のアイルトン・カルドーゾさんは14日に軍警第15署、15日にグアルーリョス第2警察署に捜索願いを出し、16日付エスタードにも不明との記事が掲載されたが、15日夜、友人宅にいたダヴィさんから家族に連絡が入った。
 ダヴィさんは数日間行く宛てもなく車を運転しつづけた後に友人宅に宿泊していたが、警察沙汰になったと知り電話をかけた。父親によると、ダヴィさんはボクシング協会からの給与が5分の2に減給された直後で、明らかに鬱状態だという。
 ダヴィさんは2010年にアゼルバイジャンで行われた世界ユース選手権やシンガポールのユース五輪で優勝。ロンドン五輪での活躍も期待されていたが、代表の座をエスキーヴァ・ファルコンに奪われ出場を逃した。エスキーヴァは兄のヤマグチと共にロンドン五輪での兄弟同時メダル獲得で話題となったが、ダヴィさんの失踪はそれが決まった翌日。ダヴィさん一家もファルコン家同様にボクシング一家として有名だった。代表トレイナーのクラウジオ・アイレスさんはダヴィさんを「リオ五輪で活躍できる逸材」と語っている。