ニッケイ新聞 2012年8月18日付け
ブラジル世論調査(Ibope)が行ったサンパウロ市市長選のアンケート結果が発表され、ジョゼ・セーラ候補(民主社会党・PSDB)とセウソ・ルッソマノ候補(ブラジル共和党・PRB)の支持率が同率で並んだことが明らかとなった。17日付エスタード紙が報じている。
13〜15日にサンパウロ市の有権者805人を対象に行われた調査によると、セーラ氏とルッソマノ氏の支持率は共に26%で互角。5月初旬の同調査ではセーラ氏31%、ルッソマノ氏16%と2倍近い差だったが、7月末〜8月初頭の調査ではセーラ氏26%、ルッソマノ氏25%とその差が一気に縮まっていた。両者の支持率急接近は7月19〜20日に行われたダッタフォーリャの調査でも指摘されていた。
さらに、候補者の名前を見せないで「誰に投票するか」の質問を行ったところ、ルッソマノ氏が16%でセーラ氏の15%を上回った。また、決選投票がセーラ氏とルッソマノ氏の2人になった場合にどちらに投票するかとの質問では、ルッソマノ氏が45%でセーラ氏の35%を上回った。だが、「誰が市長になると思うか」の質問にはセーラ氏が46%で21%のルッソマノ氏に大差をつけた。
また、フェルナンド・ハダジ候補(労働者党・PT)が前回調査から3%ポイント上がり、ソニーニャ候補(大衆社会党・PPS)を抜いて3位に。4位にはソニーニャ候補、ガブリエル・シャリッタ候補(民主運動党・PMDB)、パウリーニョ候補(民主労働党・PDT)の3人が同率(5%)で並んだ。
また、地区別の支持率で見ると、PTの支持区(サンパウロ市極東、極北西、極南部)での支持率はルッソマノ氏が30%でセーラ氏の20%を大きく上回った。PT候補者のハダジ氏は現時点で3位の11%だが、ハダジ氏がこの地域で支持率を上げてきた場合にルッソマノ氏がどこまで支持を保てるかがカギとなりそうだ。また、一般的にPSDBが強いとされる非PT支持地域では、セーラ氏が30%でルッソマノ氏の23%を引き離して1位。ここでのハダジ氏の支持率は8%となっている。また、サンパウロ市に点在する、特定の政党を支持しない浮動票地域ではセーラ氏35%、ルッソマノ氏30%。ハダジ氏は2%のみで、シャリッタ氏(7%)やソニーニャ氏(4%)より低い支持率となっている。
また、この調査では宗教別の調査も行っており、福音派の間ではルッソマノ氏31%、セーラ氏27%、カトリックではルッソマノ氏27%、セーラ氏25%だった。ルッソマノ氏はキリスト教界での支持基盤の大きさを伺わせたが、セーラ氏との差は大きくない。
また、「票を入れたくない候補」はセーラ氏が37%で圧倒的に強く、ハダジ氏は14%、ルッソマノ氏は11%となっている。