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リオ=障害すら残らぬ〃奇跡〃=金属棒が頭蓋骨貫通するも
ニッケイ新聞 2012年8月18日付け
15日リオ市で、建設現場の5階から落ちた全長3メートルの金属棒(いわゆる鉄筋)を頭に受けた男性が、鉄筋が右頭頂部から眉間に貫通したのに大事に至らず、「奇跡」として話題を呼んでいる。17日付伯字紙が報じている。
建築作業員のエドゥアルド・レイテさん(24)は15日、同市南部ボタフォゴで工事をしている最中、5階部分から落下してきた鉄筋で頭部を直撃された。鉄筋はヘルメットを破り、エドゥアルドさんの頭蓋骨に右頭頂部のやや前寄りのところから斜めに刺さり、眉間に貫通した。
エドゥアルドさんはミゲル・コウト市営病院で3時間に及ぶ手術を受けたが、同院神経外科のルイ・モンテイロ医長によると、「落下の衝撃は感じたが、刺さっていてもあまり痛みを感じない」と語っていたという。
エドゥアルドさんは1週間は入院の予定だが、命に別状はなく、現時点では後遺症も見られないことから、病院関係者は一様に「奇跡だ」と驚いている。モンテイロ医師によると、鉄筋は、脳の前頭葉の先頭にある感覚を司る部分と、前頭葉頭頂部の体の動きを司る部分の間をすり抜けるように刺さった。刺さった位置が1センチ後ろにずれていたら左半身不随、もう少し後ろにずれていたら手足が動かなくなっていたはずで、貫通した位置が少しでも上方にずれていたら気温の感覚が失われ、右に1センチずれていたら右目を失明していた。鉄筋が刺さった部分の機能は未解明で「もし、この後に生活に支障を来たすような症状が出て来たら脳神経医学の事例として報告できる」と同医師は語っている。
金属棒の刺さったエドゥアルドさんの3Dレントゲン写真はテレビや新聞で報道され、大きな反響を呼んでいる。