サンパウロ市=映画顔負け新手の強盗=女性に爆弾、宝石脅し取る=犯人隠れて携帯で命令
ニッケイ新聞 2012年8月21日付け
17日、サンパウロ市南部の高級商業地区オスカー・フレイレ通りで、誘拐犯に「体に爆弾を巻きつけた」と脅された女性を利用した強盗事件が起こった。18日付伯字紙が報じている。
17日午前11時頃、企業家のマルシア・ペレグリーニさん(31)は子供を学校まで車で迎えに行く途上、市西部のモルンビーで2台の車に囲まれ、車に乗り込んできた2人の男によって、腰に爆弾らしきものを巻きつけられた。犯人らはマルシアさんに爆弾入りの靴箱を手渡し、「これを持って宝石店に行け。さもないと、そこに入っている爆弾が爆発するぞ」と脅した上、携帯電話の番号を聞きだした。
賊は8人で、犯人らの車2台に後ろから見張られる形でオスカー・フレイレまで車を走らせたマルシアさんは、午後1時30分頃、同通りにある宝石店「ゲレイロ」に箱を持ったまま入店。カウンターに箱を置くと携帯電話が鳴り、目の前の女性店員に電話を差し出して「この強盗の指示に従って。でないと私、爆死してしまうの」と言った後、腰に巻かれた爆弾らしきものを見せた。
犯人たちは店員に「通りの反対側で全部見ている。その女に全てを渡すんだ。俺たちは純金の品が欲しいんだ」と司令を出した。恐怖感に襲われた店員は金(きん)の装飾品類を大急ぎで袋につめてマルシアさんに手渡した。マルシアさんは恐怖に駆られたまま、箱をカウンターに置いて去って行った。
マルシアさんが店から出ると犯人の1人が近づき、マルシアさんから宝石を受け取って逃走。マルシアさんの携帯電話には3分後に連絡が入り、腰につけた爆弾は解除したと告げられた。
マルシアさんが直ちに助けを求めたため、通報を受けた軍警の爆弾解除チーム(Gate)が駆けつけ、付近の交通を止めた上、マルシアさんの腰につけられたものと宝石店に残された箱を調べた。腰につけられたものは爆弾ではなかったが、箱の中身は損傷力を持つ量の火薬と新聞紙、花火だったため、Gateが現場で処理した。
「ゲレイロ」のリリアン・ゴメス・デ・アルメイダ店長(36)によると、マルシアさんは同店の常連客のようなエレガントな佇まいをしていたため、店員や警備員たちは誰も不審に思わなかったという。店長は、バンデイランテス局の「ア・リーガ」という番組が、有名女性企業家が5万レアルの指輪を同店で買って行くところを放送したことで標的にされたのではと推測している。
この事件では犯人の姿が防犯カメラに一切映っていないため、捜査は難航すると見られている。