ニッケイ新聞 2012年8月23日付け
2014年のサッカー・ワールドカップの警備計画がルーラ前政権が立てた計画より1年ほど遅れていると、21日付伯字紙が報じている。
ルーラ前政権の法務省が2010年10月に立てたW杯のための警備計画によると、2012年末までに12の管理センターを設置する予定でいた。この管理センターはW杯の試合が開催される12都市にそれぞれ配備されるものだ。管理センターは警官や各種機器を統括する本部と、市街を巡回する車両基地、スタジアム内もしくはその周辺に配備された支部などで構成される。
法務省の国家保安局が会場となる州と調整して作成した計画では、12年末までに、12都市の管理センター本部を100%、スタジアム毎の管理センターを80%、ブラジル全体の警備状況を管理するためにリオとブラジリアに造る全国管理センターを80%整備する予定だった。
だが、この計画は現時点では完全に停滞しており、警備機器の購入に関する入札の公示すら行われていない。2011年8月に組織された法務省の大型イベント局が今年立てた予定によると、機器購入に関する入札は今年の11月に行われ、13年2月までに入札先への機器の配布を開始するという。また、開催地毎の管理センターも、13年6月15〜30日に開催されるコンフェデレーションズ杯の開催地のものはそれまでに完成させるが、それ以外は13年年末までに整備する予定だという。
大型イベント局によると「2010年に立てた計画は法務省の認証がなされたわけでもなく、法的かつ行政的な強制力はない」との見解を示している。警備機器の準備と供給、5万人の警察官のトレーニングは連邦政府が責任をもつことになっており、一連の準備の費用として11億7千万レアルが投じられることになっている。
開催地の管理センターは連邦警察や州警察(市警と軍警)を統括して指令する責任があり、最新の警備機器がそれを支援することになる。
管理センターの建設は州政府の責任だが機材の供給は法務省の管轄であるため、プロジェクトが動き出すためには、連邦政府と州政府の間で、スタジアムや交通機関の建設作業に関して行ったような協約を交さなければならない。この協約の原案作成は、法務省と防衛省の間で激しい議論が行われていたために大きく遅れ、大統領や大臣、知事に提出するモデル案が承認されたのは7月のことだった。
大型イベント局は「計画どおり100%進んでいる」と語っている。