ニッケイ新聞 2012年8月23日付け
パラー州のセーラ・ペラーダ鉱山で、水銀を使わない金採取法確立のための試みが進められていると22日付エスタード紙が報じた。
セーラ・ペラーダ金山は本紙6面掲載中の小説「ガリンペイロ体験記」の舞台で、1970年の金鉱床発見以来、1万人を超すガリンペイロ(金鉱採掘人)が殺到、ゴールドラッシュで世界的に有名になった。
金の採取法として最も簡単かつ最も古くから使われているのが、金を含んだ鉱石を砕いて水銀と混ぜ合わせ、金アマルガムと呼ばれる合金を作ってから加熱して純金を得るというやり方だが、この方法の難点は水銀が水質汚染などを招き、人体にも害を及ぼす事だ。
水銀を使わない採取法の確立は、サンパウロ総合大学(USP)とセーラ・ペラーダ金山採掘人組合(Coomispe)の共同作業。Coomispeは正式な採掘許可を得ていた八つの組合の一つで、会員は約4千人。クリオノポリスの町近郊に金や銀、プラチナなどが採掘できる628ヘクタールの鉱区を持っている。
作業開始は、組合の総会待ちで、経費などの見積もりが出た時点で、具体的な作業が始まる見込みだ。組合幹部らは、環境に優しい金採取法が確立すれば、30年間川を汚し続けてきた金山でも持続可能な開発が出来るという事が実証でき、金の採掘を再開するための投資も呼び込めると期待をしている。