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まだ止まぬ連邦公務員スト=外務省職員も業務停止=度を越す行為に大統領怒る=1万人余りに減給処置

ニッケイ新聞 2012年8月24日付け

 連邦公務員ストの長期化で各方面に影響が出る中、ジウマ大統領が1万1495人の減給と、限度を超える行動をとった公務員を特定するよう命じたと22、23日付伯字紙が報じた。連邦大学などのストは収束し始めたが、外務省職員が再び業務停止など、混乱はまだ続きそうだ。

 国会への来年度予算案提示期限の8月31が近づく中、連邦公務員スト長期化で、治療薬や検査薬が手に入らない、商品や原材料が止まる、パスポート発行停滞など、影響が深刻化している。
 連邦大学教師に始まった連邦公務員ストは未だに収束しきっておらず、企画省などがスト収束に向けた交渉を行っているが、来年度予算案の作成と承認に向けた作業を本格化したジウマ政権にとり、3年間で15・8%という調整案はこれ以上応じられない上限だ。
 政府側の提案を受け入れてストを中止したり近日中に中止と見られているのは、連邦大学教師の一部、連邦大学職員、障害による年金受給の資格の有無などを判断する医師、刑務所職員など、限られた機関のみ。教育省は22日、36大学は正常化と報告したが、同じ日に外務省職員が業務を再停止など、完全収束の目処がつかない状況だ。
 来年度予算案が固まってしまえばそれ以上交渉の余地なしというのは一般的な見解だが、8月末まで待ってなぞいられない人々は五万といる。
 代表例は、継続的な治療を必要としているガン患者や、手術や診察の先送りを余儀なくされたり検査さえ受けられないために治療法が定まらない人々で、医師がスト中の国立病院始め、献血時に血液に混ぜる薬剤や検査薬、その他の薬品不足で業務が遂行できない民間医療機関も出ている。
 また、仕事や病気治療といった差し迫った状況下ではなくパスポートやビザを申請した人や、輸入した品を受け取れない商店、部品などの原材料が入手できない工業界なども迷惑を蒙っている。11日付フォーリャ紙によれば、7月に空港や港で止められた品は45億レアル相当だ。
 23日付フォーリャ紙には地理統計院(IBGE)職員のストでインフレ指数算定に支障との見出しが踊るが、同院のストは失業率などの集計にも影響を及ぼす。
 21日は農務省の監査官が何トンものオレンジや米、フェイジョンをばら撒いた他、基準書通りの厳格検査を禁じられた国道警察や連邦警察が、空港内を笛を鳴らしながら歩く、国境の検問不履行といった形のストを実施。フォス・ド・イグアスでは「武器や麻薬の密売者もご自由に」との看板まであったと聞いた大統領は22日、法務相に責任者の特定を命じた。
 21日の減給対象は8万とされるスト参加者のごく一部で特定部門に固まっているが、7月の減給が1972人だった事と比べるとスト拡大の実態は明らかだ。