ニッケイ新聞 2012年8月24日付け
2010年6月に誘拐殺人事件を起こしたフラメンゴの元キーパー、ブルーノ・F・ソウザ容疑者のいとこで、共犯容疑のセルジオ・ローザ・サレス被告(人身保護令で釈放中)が22日、ミナス・ジェライス州ベロ・オリゾンテの自宅近くで射殺された。23日付伯字紙が報じている。
サレス被告は22日午前7時頃、ベロ・オリゾンテ市北部ミナスランジアにある自宅を出て仕事へ向かったが、オートバイに乗った2人組が近づき、発砲してきた。サレス被告は被弾したが走って逃げ、自宅から2ブロック先にある民家の中庭に逃げ込んだが、計6発の銃弾(1発は頭)を受け、死亡した。
警察はサレス被告が6発の銃弾を受けている事実から、計画的殺害として調査を進めている。サレス被告は10年6月のエリーザ・シウヴァ・サムディオさん監禁殺害事件の共犯者として起訴されたが、警察に対する協力的な証言が認められ、11年8月11日に人身保護令適用で釈放され、監獄の外で裁判を待つ身だった。関係者の間では口封じのために殺されたとの推測も出ている。
エリーザさんはブルーノ容疑者の元恋人で、2009年8月に妊娠の認知を求めたところ、10月にブルーノ容疑者の友人らに誘拐され、中絶を強要されたとして警察に被害届けを出している。
子供は翌10年2月に生まれたが、ブルーノ容疑者は同年6月に監禁殺害を企て、ルイス・エンリッケ・フェレイラ・ロモン(通称マカロン)容疑者らに誘拐させたエリーザさんを自分の農園に監禁。その後、「暗殺のプロ」とされる元警察官のマルコス・A・ドス・サントス(ボーラ)容疑者の手を借りて殺害したと見られている。
ブルーノ容疑者は、6月29日に車からエリーザさんの血痕が見つかったことや別のいとこの証言などが原因で7月に逮捕され、サレス被告も、誘拐や監禁、殺害に関与した計8人の容疑者の1人として逮捕された。
サレス被告は当初、警察の調べに対し「ブルーノとマカロンがエリーザさん殺害について話していた」「ブルーノの家で頭を怪我しているエリーザさんを見た」「ブルーノも(殺害現場である)ボーラの家にいた」「ブルーノは〃エリーザはもう死んだよ〃と言って泣いた」などと証言。ブルーノ容疑者がエリーザさんを監禁していたとされる場所も明かした。
だが、サレス被告は11年11月の公判で「警察から脅しと拷問を受けたからあんな証言をした」として、自身が行った証言を否定していた。