ニッケイ新聞 2012年8月25日付け
サンパウロ市コンゴーニャス空港の敷地のうち17万平米が、05年に閉鎖されたVASP社が使っていた有害な化学物質で汚染されていることが明らかとなった。24日付エスタード紙が報じている。
VASP社が使っていた汚染判明地域は、ワシントン・ルイス大通りとタモイオス通りに囲まれた区画で、先週まで放置されていた飛行機4機のスクラップも今週になって解体された。
この区画は現在、空港の拡張工事のための整備が進められているが、この区画の汚染源は少なくとも69トンとみられる燃料や溶剤、重金属類。環境浄化技術公社(Cetesb)によると、17万平米のうち少なくとも8万9千平米が汚染もしくは汚染の危険性が高いとされている。残った部分に関する最終的な鑑定結果は出ていないが、既に「疑惑の地帯」と目されており、また、同区画外、半径200メートルのエリアも調査の必要があるとされている。
ブラジル空港インフラ事業公社(INFRAERO)はこの区画の拡張整備のための入札規定を既に発表済みで、落札企業が15カ月間で汚染実態の調査と浄化を行うことになっている。同公社では2015年の使用開始を予定しているが、そのためには、69トンの化学物質のほかに、地下に埋設されている燃料タンク七つ、ペンキ、溶剤その他の可燃性の液体などの撤去も必要だ。
この区画は将来、航空機の停泊スペースとしての使用される見込みだ。コンゴーニャス空港は、乗降用ターミナルが5万1千平米、停泊面積も7万7千平米しかない。
コンゴーニャス空港は14年のW杯で重要な役目を果たすはずで、13年までの整備が約束されていたが、INFRAEROによると、チェックイン・エリアなどの拡張工事開始は2014〜15年にずれ込むという。