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ベネズエラ=最大の石油精製所で爆発=41人死亡、80人がケガ

ニッケイ新聞 2012年8月28日付け

 25日未明、ベネズエラ最大の製油所でガス漏れから爆発事故が起き、41人が死亡する惨事が起こった。26日付伯字紙などが報じている。
 爆発が起きたのは、ベネズエラ北西部パラグアナー半島西岸にあるパラグアナー製油所の3製油所の一つで、世界第5位の石油輸出国である同国でも最大の製油能力(1日64万5千バレル)を持つアムアイ製油所だ。
 事故発生はブラジル時間の25日2時45分頃で、27日現在も直接的な原因はわかっていないが、同国エネルギー相でベネズエラ国営石油会社(PDVSA)社長のラファエル・ラミレス氏は「ガス漏れが原因」との見解を示している。
 27日現在で41人が死亡し80人以上の負傷者を出した。死者の大半は同製油所の警備を担当する国家防衛隊メンバーか近隣住民で、犠牲者の中には10歳の少女も含まれているという。
 ラミレス氏によると、同製油所の操業は2日間停止するが、それ以降は通常操業に戻し、操業停止による減産分は他の精製所を活性化させることで補う。また、輸出用や国内供給分として10日分の石油の備蓄もあるという。
 ベネズエラではこの10年ほど同様の事故が多発していたため、PDVSAはここ数年、精製量を限定し、拡大計画に歯止めをかけていた。それでも、6月に南米共同市場(メルコスール)の正式加盟国として承認されたベネズエラの経済にとって、石油が最大の動力源であることには変わりない。
 また、これは10月7日に実施される同国の大統領選挙で再選を目指すウーゴ・チャベス大統領にも手痛い事故となったと見る向きも多い。チャべス政権下での石油精製所の事故や操業停止、管理の不行き届きはかねてから反チャベス派にとっての攻撃材料であった。